アメリカの皮膚科医レスリー・バウマンが提唱したスキンタイプ分類法「バウマンのスキンケアタイプ分類」。この分類法をもとに、患者さんの肌タイプにあわせたニキビ治療とスキンケア指導を行っている久田恭子先生に、ニキビ肌のスキンケア戦略について教えていただきました。
ニキビは毛穴や皮脂の病気というイメージがありますが、基本的にはホルモンバランスの乱れによる慢性炎症性疾患です。生理周期、寝不足、生活習慣などの影響で改善と悪化を繰り返すため、症状が落ち着いている時のスキンケア指導が非常に重要です。ニキビ治療中は年齢、季節、生活習慣などに合わせて柔軟にスキンケアを変えていく必要があり、肌タイプに合ったスキンケアを行うことで肌トラブルは軽減します。当院では「バウマンのスキンケア分類」を踏まえ、肌タイプに合わせたニキビ肌のスキンケア指導を行っています。
この分類法では油分バランス、敏感性、色素沈着傾向、加齢傾向の4つを軸に、肌の状態を16種類に分類します。(表参照)
ニキビ肌はオイリー肌でバリア機能不全があるのが特徴ですから、「脂性(O)」で「敏感(S)」なOSタイプであることがわかります。ニキビ肌の患者さんにスキンケアを指導する時は、OSタイプのスキンケア指導をしたうえで、「色素沈着」や「シワ」があるかによって最適なスキンケアをすすめていきます。
こちらは「OSNT」タイプの患者さんです。肌タイプに合ったスキンケアを行ったところ、頬のニキビに伴う赤みや毛穴の開き、脂っぽさが改善しました。
ニキビ肌はオイリーでバリア機能不全な肌です。脂性肌にはアゼライン酸などが有効ですが、シワのある年齢肌の場合は表皮が脆弱な場合があるため、よりマイルドに効き、ハリ感にも有効なバクチオールという選択肢もあります。バリア機能不全はセラミドの減少が原因と考えられるため、浸透型セラミド*1・2やトラネキサム酸でのスキンケアが有効です。
*1 角質層まで
*2 ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液
自己流のスキンケアで症状が落ち着いているのなら問題ありませんが、悪化している場合、その原因を患者さんと一緒に探りながら指導していきます。使っているスキンケア製品を全て持参していただき、正しい組み合わせを指導することも大切だと思います。
アトピー肌・乾燥肌・
敏感肌
赤ちゃんの肌
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