鷲崎久美子先生

化粧品による接触皮膚炎(かぶれ)の症状と対策

監修
大森町皮ふ科
院長
鷲崎 久美子 先生

はじめに

化粧品は身体の清潔や健やかな皮膚を維持するだけではなく、美しく魅力的に見せる役割も持ち日常生活で欠かせません。化粧品は安全性に配慮して作られていますが、一方で接触皮膚炎(かぶれ)を起こすこともあります。また近年は美白,にきび予防やアンチエイジング機能などを保持する有効成分を配合した化粧品の使用頻度も増加しており、新しいアレルゲンにも注意が必要です。

どんな時に接触皮膚炎(かぶれ)を疑うか?

化粧品による皮膚障害、いわゆる“かぶれ”の多くは刺激性とアレルギー性接触皮膚炎です。刺激性はかぶれの約90%を占め症状としては、ヒリヒリ感、熱感やあかみを生じますが皮膚症状がない事もあります。これは患者さんの皮膚症状が安定していない時や刺激の強い製品を使用することで引き起こされます。
アレルギー性接触皮膚炎は化粧品を使用した部位に繰り返し、かゆみ、赤みやぶつぶつ、じくじくした湿疹病変が出てきます。化粧品を使用してこのような症状があらわれたらかぶれを疑い医療機関を受診することをお勧めします。

接触皮膚炎(かぶれ)の疑い

春先に多い花粉皮膚炎について

ところで、 春先の肌荒れの原因として花粉の影響も考えられます。
症状は、春先のスギ花粉の飛ぶ時期や秋の花粉の時期に顔や目の周り、首など露出部位やこすれる部位に皮疹が出現します。多くはアトピー性皮膚炎が基礎疾患にあり、またアトピー性皮膚炎患者の約30%がスギ花粉で皮疹が増悪するといわれています。一方、アトピー性皮膚炎を合併しない場合は春先や秋に生じますが、ブツブツや水疱はなく蕁麻疹のような浮腫性紅斑を生じます。いずれにしても、花粉の飛ぶ時期は肌が不安定な状態になっており皮膚のバリア機能も低下していると化粧品や毛染めによるかぶれを引きおこしやすくなります。

皮膚科受診のタイミングは?

顔の皮疹を繰り返す場合や化粧品をいろいろ変えても肌の調子が悪いような場合はパッチテストを受けるかどうか皮膚科専門医に相談し可能な範囲での原因を検査することを勧めます。

接触皮膚炎(かぶれ)の検査について

化粧品による接触皮膚炎(かぶれ)を疑った場合に医療機関で行う検査には以下のようなものがあります。

①48時間クローズドパッチテスト

疑わしい製品を背中や腕に48時間貼付し、その部位の紅斑、丘疹や水疱などの反応を見てアレルギー反応か判定します。化粧水や乳液等洗い流さない製品はそのまま貼付、シャンプー、リンスや洗顔料などは薄めて貼付、ファンデーションなど粉物はワセリンと混ぜて貼付します。

②オープンテスト

染毛剤や、アイシャドウ、マスカラなどの揮発性製品は背中や腕にそのまま塗り反応を見ます。またこれらの製品は乾燥後に閉鎖貼付するセミクローズドテストを行うことも可能です。

③光パッチテスト

香水など、貼付のみではアレルギー反応を起こさず、紫外線を照射することでかぶれる製品には光パッチテストを行います。

④ROAT(repeated open application test)

パッチテストの結果において刺激反応が弱い場合に、化粧品と皮疹の因果関係を確認するため行います。化粧品を前腕屈側の肘近くの同じ部位に1日2回毎日塗布し、湿疹が生じたら中止し、1週間程度継続します。

48時間クローズドパッチテスト

接触皮膚炎(かぶれ)の治療と対策

顔の皮疹を繰り返す場合や化粧品をいろいろ変えても肌の調子が悪いような場合はパッチテストを受けるかどうか皮膚科専門医に相談し可能な範囲での原因を検査することを勧めます。
化粧品による接触皮膚炎(かぶれ)を考えた場合、使用している化粧品をいったん中止しステロイド外用剤や抗アレルギー剤による治療を行います。その際、ヒリヒリや刺激感があれば、低刺激の洗浄剤で優しく洗顔をする、ワセリンなどを用いた保湿も重要となります。皮疹が落ちついたら可能な範囲でのパッチテストを行い原因を調べましょう。また、新しい化粧品を使用する場合に、腕の内側など自分で見える範囲に10日程度化粧品を塗ってかぶれないか確認するのもよいでしょう。

接触皮膚炎(かぶれ)の治療と対策
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