綺麗な皮膚を「赤ちゃんのような肌」というように、赤ちゃんの皮膚を理想の美肌のように思う方が多いのではないでしょうか。しかし、赤ちゃんの皮膚は想像以上に表面は乾燥していて、大切なからだの中の水分が蒸発しやすい状態です。また、空気中の目に見えない小さいもの(細菌、ウイルス、ホコリ、チリ、ダニ、カビなど)や、自分の排泄物(汗、涙、糞尿など)が皮膚の中に入り込みやすい状態です。つまり皮膚の「バリア」がとても未熟です。弱いバリアを通してものが入ると、「感染」、「アレルギー」などの病気になりやすくなります。ではどのようなスキンケアを行ったら綺麗で健康な皮膚を保つことができるのでしょうか。赤ちゃんの正しいスキンケア方法として、洗浄と保湿を中心にご紹介します。
まず洗浄です。赤ちゃんの皮膚は、皮膚の薄さや皮脂の分泌の少なさ、バリアの弱さから分かるようにとてもデリケートな状態にありますので、汚れはとにかく早く、確実に取り除いてあげることが大切です。低刺激性の洗浄料を選び、よく泡立てて手で包み込むように洗います。お顔も汚れやすいので洗顔料を使ってきちんと洗ってあげましょう。外遊びなどで汚れがつきやすくなる1歳を過ぎたら、頭部と顔面の皮膚以外は、綿などやさしい素材のやわらかなタオルに泡をつけて洗いますが、皮膚を傷めてしまうので、決してゴシゴシこすらないように気をつけます。ナイロンタオルやスポンジの使用も厳禁です。また、当然のことではありますが、汗やうんち、おしっこの汚れも刺激となります。汗っかきな赤ちゃんが、ムレやすいオムツをしているので、こまめに着替えやオムツ替えを行い、汗や汚れがひどい時はシャワーなどで洗い流すことが大切です。
綺麗に洗ったあとは、水分をしっかり拭き取ります。水分が残っているとその水分の蒸発と一緒に、皮膚の水分も逃げてしまうからです。洗いざらしのタオルはごわごわして皮膚を傷つけますので、やわらかいタオルで全身を包み、そっとおさえるようにして水分を吸収させます。ただし、首、わきの下、手足のゆびの間などは、タオルを入れてよく拭きとっておくことも忘れずに。また、汗や口のまわりのよだれや汚れを、乾いたガーゼでゴシゴシこすって拭くとガーゼは繊維が粗く、摩擦が強いので使わないようにします。やわらかいタオルを水で絞ってから、やさしく拭くようにすると良いでしょう。
そして、拭いたあとは必ず保湿をします。赤ちゃんの皮膚は夏でも冬でも乾燥しやすさは変わりません。また、お風呂上がりや夜だけでなく、口のまわりやおしりを拭いたあとも必ず保湿をするように気をつけましょう。拭くことと保湿は必ずセットで行うことが赤ちゃんの綺麗で健康な皮膚を保つポイントです。
保湿剤は赤ちゃんの皮膚に合うことはもちろん、毎日のことなのでママの使いやすさも大切なポイントになります。試供品を試す、医師に相談するなどして、ぴったりなものをみつけましょう。
お母さんのお腹の中で羊水の中にいた赤ちゃんは、生まれた途端に空気にさらされて皮膚はひどく乾燥します。生まれてからなるべく早く皮膚に保湿をしてあげましょう。