アトピー性皮膚炎の方の皮膚は、カサカサ乾燥して皮膚のバリア機能が低下しています。そのような皮膚では、外界からの抗原(様々なアレルギーを引き起こす原因物質)が侵入しやすく、また体に必要な水分が体の外に出やすい状態になっています。
さらに、ちょっとした刺激に皮膚が敏感に反応してしまう皮膚の過敏があるため、皮膚の炎症(赤みやぶつぶつ)が出やすいと言えます。
皮膚の過敏や炎症があるとかゆみが引き起こされ、掻破により皮膚のバリアはますます破壊され、また炎症が悪化してしまいます。このように、アトピー性皮膚炎の方の皮膚では乾燥・バリア機能の低下、炎症、かゆみが常にお互いに影響しながら、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返してしまいます。
前述のようなアトピー性皮膚炎の症状を改善するための大きなケアの柱は、①スキンケア、②炎症を抑える薬物療法、③悪化因子を探してできるだけ避けることです。
②に関しては、赤みやぶつぶつといった炎症を伴っている皮膚に対しては、炎症を抑える薬物療法(多くは塗り薬)を適切に使用することが重要です。炎症に対しては、保湿剤による保湿スキンケアだけでは効果は不十分で症状の改善は期待できません。この場合は皮膚科を受診することが必要です。
③については、悪化因子はその人によって異なることもありますが、
などは多くの人が感じているようです。
髪の毛をまとめる、刺激になる衣類は避ける、部屋の掃除をする、などの対策をする必要があります。
また、かゆみはなかなか我慢できないため、寝ているときなどの掻破などはなかなか防ぐことができないものです。ですので、掻破した際の皮膚の障害を最小限にするために、出来るだけこまめな爪切りも大切です。その他、何らかの悪化因子が思い当たる場合には、かかりつけの医師に相談し、本当に症状に関連しているか、その対策はどうするか、などを相談するとよいでしょう。
スキンケアには大きく分けて、洗浄のスキンケアと保湿スキンケアがあります。
皮膚に付着した汗やほこり、様々な汚れを適切な洗浄によって取り除き、皮膚を清潔に保つことは重要です。
一方、洗浄剤やごしごしこすって洗うことは、皮膚の保湿に必要な皮脂などを過度に取り除き乾燥を増悪させることがあるため、出来るだけ刺激の少ない洗浄剤をよく泡立て、手などを使って優しく洗うことが重要です。また、お湯の温度が高いと皮膚の乾燥やかゆみを引き起こすため、高い温度のお湯は避けた方が好ましいです。
このように適切な洗浄で汚れを取り除いた後には、保湿剤を塗布して保湿スキンケアを行うと皮膚の乾燥やバリア機能を改善できます。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、一見正常に見える皮膚でも乾燥したり、皮膚のバリア機能が低下していることが多いため、出来るだけ広い範囲に保湿剤を塗布して保湿スキンケアを行うとより有用です。
また、炎症がある場合には炎症を抑える塗り薬と併用することでより改善がみられることがありますし、炎症がおさまっている状態で保湿スキンケアを継続すると、炎症を繰り返すことを防ぐこともできます。
このように、スキンケアには大きな意味があるので、出来る範囲でしっかり継続するといいでしょう。
アトピー肌・乾燥肌・
敏感肌
紫外線トラブル・シミ・
エイジング
赤ちゃんの肌
アトピー肌・乾燥肌・敏感肌
紫外線トラブル・シミ・エイジング
赤ちゃんの肌