かゆみやフケ、においなど、頭皮のトラブルを抱えている人は、珍しくありません。頭皮や毛髪に関するアンケート調査※によると、頭皮のかゆみやフケ、におい、炎症などで悩む人が多く、特にフケに悩む人は全体の22.6%とされており、5人に1人以上が頭皮の悩みがあることがわかります。また、頭皮のフケは16.1%、頭皮のにおいは15.1%と、一定以上の人が何らかの悩みを抱えているようです。
これらの悩みは、汗をかくようになる春から夏にかけて悪化することもあれば、洗髪頻度の落ちる冬場に悩む人もおり、季節性がなく、通年を通して誰でも悩む可能性があり注意が必要です。
頭皮のトラブルは様々な要因が絡み合っていますが、一般的には不規則な食生活や睡眠不足などの生活習慣や、頭皮へ使用するヘアケア製品による刺激も原因のひとつと考えられます。また、フケ・かゆみの原因では、頭皮に常在しているフケ原因菌「マラセチア属真菌(カビ)」も原因のひとつであることもわかっています。このマラセチア属真菌は好脂性であり、皮脂をエサに増殖します。洗髪が不十分で洗い残しがあるなどの理由で、頭皮の皮脂が増えてしまうと、このマラセチア属真菌も増加し、フケ・かゆみの原因となることがあります。またネコなどのペットを飼育している方の中にはペット由来の白癬菌による頭部白癬も原因となることがあります。
※持田ヘルスケア(株)によるインターネット調査。2021年3月実施。20~60代の男女2,060名に実施
頭皮の悩みのひとつであるフケには、大きく分けて2種類あります。カサカサ・パラパラする乾性型と、ベタベタ・ベトベトする湿性型です。乾性型は皮脂不足が原因と考えられ、洗髪のしすぎや、洗浄力の強いシャンプーの使用、頭皮の乾燥が原因と考えられます。一方、湿性型のフケは、過剰な皮脂が原因とされており、洗髪が不十分であることや皮脂の分泌が過剰になり、フケ原因菌が増殖していることで起こるとされています。フケの状態をよく観察して、どのタイプかを判断することが大切です。
フケ・かゆみの原因は脂漏性皮膚炎という皮膚病の可能性もあります。
脂漏性皮膚炎は「乳児型」と「成人型」がありますが、正しいスキンケアを行うことで自然に治癒する乳児型と異なり、成人型は症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すと言われています。特に、皮脂の分泌が盛んな40代以降の男性に多くみられるといわれています。
脂漏性皮膚炎の症状は頭や額の生え際など、皮脂の分泌が盛んな部位によく見られます。初期症状として、頭皮の毛穴に赤みや湿疹がみられ、フケやかゆみが出現することも。特に、湿性型のフケは、脂漏性皮膚炎の初期症状または軽症の脂漏性皮膚炎ともいわれており、注意が必要です。皮膚病の可能性も考え、フケやかゆみが気になる場合には、皮膚科を受診することをおすすめします。皮膚科医による診察でKOH直接鏡検※などをおこない頭部白癬などを除外診断していただくことが大切です。
※KOH直接鏡検:白癬菌が寄生している可能性のある部位をメスやハサミでとり、苛性カリ(KOH)を検査材料にたらし、カバーグラスで覆って顕微鏡で観察する手法。
フケ症など頭皮の炎症を放っておくと、脱毛につながる場合もあります。
日頃から正しい頭皮ケアをすることが大切です。洗髪の回数は皮脂の分泌量や季節によっても変わってきますが、洗髪後、6~24時間で頭皮の皮脂は洗髪前の量に戻るといわれているため、毎日もしくは一日おきのシャンプーをおすすめします。シャンプーする際には、フケ原因菌であるカビの増殖を抑える成分である抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」が配合されているシャンプーやリンスをおすすめします。
皮膚は弱酸性ですが、リンスはカチオン成分を多く含み頭皮のイオンバランスを保ち静電気防止効果もあることから、シャンプーをしたらリンスを併用することもおすすめします。炎症がある場合には、低刺激性のものを選ぶとよいでしょう。
また、これまでは頭部に湿疹・皮膚炎がみられた際には、副腎皮質ホルモン剤いわゆるステロイドが配合されたクリームや軟膏・ローションといった外用剤での治療が行われていました。最近になり処方薬としてステロイド入りシャンプー剤が使用されるようになりましたが、毛髪を保護する作用はないため、炎症がない毛髪の部分には必要に応じて抗真菌成分配合リンスを併用するとよいでしょう。特に、脂漏性皮膚炎は繰り返すことが多いことから、日頃から頭皮の状態をすこやかに保っておくために抗真菌成分配合シャンプーを継続使用することを薦めます。詳しくは皮膚科専門医にご相談ください。
併せて、生活習慣を見直すことも大切です。ストレスや睡眠不足を避け、食事も気を付けましょう。特に、ビタミンB群を多く含む食べ物(豚肉・ほうれん草・牛乳・レバー・しいたけなど)を採るように心がけ、脂っこいものや甘いものの摂りすぎには注意しましょう。またかゆみの強いときには辛いものなどの刺激物は避けることをおすすめします。
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