加納 智美 様

こんな時には要注意!
フットケアで気を付けたい皮膚症状とは?

順天堂大学医学部皮膚科 先任准教授
足の疾患センター副センター長
小川 尊資 先生

はじめに

健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間のことを指します。そのためには、生活習慣に気を配ることも必要ですが、足のケアも大切です。足は歩行のかなめです。まずは、自分自身で足を観察してみましょう。その際に、注意して頂きたい症状をいくつかご紹介します。

1.うおのめ(鶏眼)とたこ(胼胝)

フットケア診療で最も相談が多いのは、足底のうおのめとたこです。いずれも長期間にわたり圧迫や摩擦などの刺激を繰り返し受けた部位に生じます。うおのめとたこの違いは、うおのめには芯のような硬い部分があり、痛みを感じます。たこは皮膚が一様に厚く硬くなりますが、痛みはないことの方が多いです。治療はコーンカッターやニッパーなどで硬い部分を除去します。穴あきパッドの使用は、痛みの緩和や悪化の予防に有用です。糖尿病がある方は、うおのめやたこから感染のリスクがあるので、皮膚科で定期的に治療してもらうことをお勧めします。

うおのめ(鶏眼)
うおのめ(鶏眼)の症状
たこ(胼胝)
たこ(胼胝)の症状

2.いぼ(尋常性疣贅)

手足の小さな傷からウイルスが感染して生じます。皮膚の一部がざらざらと硬くなります。放置すると、数が増えたり広がったりします。うおのめと見間違えることがありますので、皮膚科で正しい診断をしてもらいましょう。治療は液体窒素による凍結療法が中心です。

いぼ(尋常性疣贅)
いぼ(尋常性疣贅)の症状

3.乾燥

つま先からすねは、乾燥しやすい部分です。皮膚が乾燥していると、痒みや湿疹の原因となります。入浴時にタオルでゴシゴシこすることは避け、入浴後の保湿を心がけましょう。また、かかとの乾燥や亀裂は、水虫でも似たような症状になります。保湿で軽快しない場合は、皮膚科で白癬菌の有無を調べてもらいましょう。

4.水虫(足白癬) ・爪水虫(爪白癬)

足の裏に小さな水疱や皮むけがあることで気づくことが多いです。趾間では、皮むけや白くふやけることがあります。季節的に夏が近づくと症状が出て、涼しくなると症状が自然に治まってくることも多く、水虫だと気付かないこともあります。また、長年水虫にかかっていると、踵や足底が硬くなり、ひび割れて痛みを生じたり、爪に菌が入り爪水虫になることがあります。爪水虫では、爪の色が黄白色に変色したり、厚くなったりします。不安なときは皮膚科で検査を受けましょう。外用薬や内服薬で治療します。

かかとの水虫
かかとの水虫の症状
爪水虫(第Ⅰ、Ⅳ趾)
爪水虫の症状

5.陥入爪・巻き爪

足の爪や爪が接する皮膚が痛いときは、陥入爪・巻き爪が多いです。陥入爪では、爪の端が皮膚に食い込み、皮膚が赤く腫れ、痛みを生じます。爪の食い込んだ部分がじくじくし、出血し易い肉芽ができることもあります。足の親指に生じることが多く、不適切な爪の切り方がしばしば原因となります。抗炎症薬の使用や冷凍凝固療法で肉芽を治療します。爪の切り方の見直しも必要です。
巻き爪は、長年、爪が横から圧迫されたことが原因と考えられています。前方から見ると筒状に見えたり、「の」や「つ」の字のように見えたりします。巻いた爪が皮膚に食い込み、歩行時の痛みが強い場合は、ワイヤーを使った矯正治療も選択肢のひとつです。

陥入爪
陥入爪の症状
巻き爪
巻き爪の症状
スキンケア講座

アトピー肌・乾燥肌・
敏感肌

赤ちゃんの肌

スキンケア講座

アトピー肌・乾燥肌・敏感肌

赤ちゃんの肌