平井 千裕 先生

デリケートゾーンの黒ずみの原因とは?
ケアや予防方法ついて

麻布ウィメンズクリニック
院長
平井 千裕 先生

1.シミや黒ずみはメラニンによる色素沈着

シミや黒ずみとは、主に「メラニン」という色素顆粒の産生と排出のin-outバランスが崩れたために起こる、色素異常症(色素沈着症)です。皮膚のシミや黒ずみを目立たなくするためには、メカニズムを知り、メラニンin-outバランスのとれた肌を目指すことが重要です。

2.メラニンの産生-排出メカニズム

メラニンの産生場「メラノサイト」は美肌には欠かせない!

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層から成り、表皮は約95%の「表皮細胞(ケラチノサイト)」と約5%の「色素細胞(メラノサイト)」で構成されています。表皮と真皮の境目には「真皮乳頭層」と呼ばれる波打つような形状の境界層があり、メラノサイトは、その層上で鎖のように連なって形状を維持し、肌の弾力を保っています。

メラノサイト

メラニン産生の原因は、日光や摩擦による刺激

メラノサイトは、紫外線や摩擦などの刺激を受けると活性化し、アメーバのように形を変え、樹枝状突起という触手を伸ばして枝分かれします。メラノサイト内では、核の上に帽子状にメラニンを生成し、紫外線からのDNA損傷や悪性腫瘍の発生を防ごうとします。生成されたメラニンは、メラノソームという小胞に蓄積して、伸ばした触手からケラチノサイト内へ放出されます。

メラニンの主な排出方法は、皮膚のターンオーバー

ケラチノサイトは基底層から徐々に押し上げられ垢(アカ)となって剥がれ落ちます。これが「ターンオーバー」で、約28日のサイクルで行われます。ところが、加齢・乾燥・慢性炎症・ホルモンバランスの乱れなどでその機能は低下し周期は長くなります。また、種々の炎症疾患(やけどや湿疹など)が起きると、メラノソームが変性・壊死して真皮へ滴落し血管やリンパ管を介して排出されます。メラニンが沈着したままになることもあり、消失まで時間と根気が必要です。

ターンオーバー

3.デリケートゾーンの黒ずみをセルフチェックして、メラニン予防・対策を

メラノサイトは、顔面などの日光露出部や外陰部などの生理学的な色素沈着部には高密度で存在しているため、デリケートゾーンは黒ずみやすくなります。内ももや腕の内側など同じ程度に皮膚が薄い部分と見比べて、黒ずみレベルをチェックしてみましょう。

基本は洗浄と保湿!

陰部も顔を洗う時と同じように、デリケートゾーン用のソープなどを使い、泡で優しく洗ってください。熱いお湯だと必要な皮脂も洗い流してしまうため、ぬるま湯を使って完全にすすぎ切るようにします。また、表皮の角質層は異物や細菌が肌の中に入り込むのを防ぐ皮膚バリア機能を担っています。デリケートゾーンの乾燥、間違ったスキンケア、加齢による皮脂分泌量の減少などにより肌が乾燥すると、そのバリア機能が低下してしまうため、洗浄後にはデリケートゾーン専用の保湿剤やクリームを使用して、きちんと保湿することが大切です。

基本は洗浄と保湿

皮膚への刺激や摩擦を軽減しましょう

摩擦によるメラニン産生を促さないよう気を付けましょう。きつめの下着やタイトな洋服は避け、通気性の良いものを選びましょう。トイレットペーパーは肌当たりの良いものを使用し、優しく拭き取ってください。ナプキンやおりものシートは頻繁に交換し、自分の肌に合ったものを使用しましょう。

皮膚への刺激や摩擦を軽減しましょう

バランスのとれた生活を

ホルモンバランスの乱れ、加齢、喫煙、不摂生は、肌のターンオーバーを遅らせて黒ずみを招きます。栄養バランスに気を配って、細胞の元となるたんぱく質や、メラニン生成を抑えるビタミンC・E、鉄分などを積極的に摂りましょう。糖分や脂肪分を多く摂取すると代謝が悪化するため気を付けてください。
黄体期や妊娠中は、ホルモンの影響でメラニン活性も盛んになり黒ずみやすくなります。ホルモンのバランスによるものなので、保湿やケアを続けてください。

バランスのとれた生活を
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