アトピー肌・乾燥肌・敏感肌atopic

野村有子先生

夏だからこそ気になるマスク肌荒れ
~正しいマスクの着用法~

監修
野村皮膚科医院
院長
野村有子 先生

コロナ禍における日常生活でマスク着用は欠かせません。暑い夏でも、今のところ外すことは難しいですよね。マスクにこもった息の湿気に汗の刺激が加わり、「マスクの中が蒸れる」「肌がただれてチクチクする」「かゆくなってしまう」など、マスクによる肌トラブルに悩まされている人は多くいます。マスクトラブルにどう対処すればよいのか、そのポイントをお話しします。

蒸れによる悪影響

マスクはウイルス感染対策のため、基本的に通気性は悪くなっています。
特に夏は気温が高くて汗や皮脂の分泌が多くなるために、さらに蒸れやすい状態になります。蒸れることで皮膚の角質が必要以上にふやけてしまい、皮膚バリア機能が低下しやすい環境になります。また、ふやけた角質で毛穴が詰まりやすくなります。
一方、マスクを外した瞬間、皮膚の水分は急速に蒸散して乾燥しやすくなります。毛穴に詰まった角質はそのまま乾くと角栓となり、肌がざらざらしてきます。それと同時に、皮膚の水分量が少なくなることでさらにバリア機能が低下し、肌トラブルが増える、という悪循環に陥ってしまいます。
したがって、蒸れと潤いは別だということを意識してください。蒸れているからといって保湿ケアをさぼると、肌トラブルは加速してしまいます。

【マスクによる皮膚への影響】
(野村皮膚科医院調べ)

ここで一つのデータをお示しします。
40代~60代の健常人女性4名に布マスク(肌側がシルクのファブリックケアマスク®)と紙マスク(不織布のサージカルマスク)をそれぞれ3時間ずつ着用してもらい、皮膚の状態をチェックしました。なお、紙マスクを使用する際には、着用前に顔の右半分だけ保湿ケアを行いました。マスクを外した直後の皮膚温度・水分量・油分量を測定し、4名の平均値をとりました。
※水分量・油分量の測定には【ロボスキンアナライザー 水分油分センサー】を使用。

<結果>

布マスクの場合は、マスクをしている部分としていない部分の温度差はほとんどなく、一方、紙マスクの場合は、外した直後の皮膚温度はむしろ低くなっていました。(図1)
布マスク着用により皮膚の水分量は多少増加し油分量は多少減少しましたが、マスク着用していない部位との差はほとんどありませんでした。紙マスクの場合は、皮膚の水分量・油分量とも低下しており、皮膚バリア機能が低下したと思われました。一方、保湿ケアを行った場合は、水分量・油分量とも上昇することが分かり、紙マスクを着用する前には適切な保湿ケアを行う必要があることが確認されました。(図2,3)

皮膚温度の比較
水分量の比較
油分量の比較

【マスクによる皮膚への影響】
(野村皮膚科医院調べ)

ここで一つのデータをお示しします。
40代~60代の健常人女性4名に布マスク(肌側がシルクのファブリックケアマスク®)と紙マスク(不織布のサージカルマスク)をそれぞれ3時間ずつ着用してもらい、皮膚の状態をチェックしました。なお、紙マスクを使用する際には、着用前に顔の右半分だけ保湿ケアを行いました。マスクを外した直後の皮膚温度・水分量・油分量を測定し、4名の平均値をとりました。
※水分量・油分量の測定には【ロボスキンアナライザー 水分油分センサー】を使用。

<結果>

布マスクの場合は、マスクをしている部分としていない部分の温度差はほとんどなく、一方、紙マスクの場合は、外した直後の皮膚温度はむしろ低くなっていました。(図1)
布マスク着用により皮膚の水分量は多少増加し油分量は多少減少しましたが、マスク着用していない部位との差はほとんどありませんでした。紙マスクの場合は、皮膚の水分量・油分量とも低下しており、皮膚バリア機能が低下したと思われました。一方、保湿ケアを行った場合は、水分量・油分量とも上昇することが分かり、紙マスクを着用する前には適切な保湿ケアを行う必要があることが確認されました。(図2,3)

皮膚温度の比較
水分量の比較
油分量の比較

正しい肌ケアで肌荒れ対策を

マスク肌荒れの予防は、まず保湿が重要です。夏は汗や皮脂の影響でニキビが出やすい季節です。油分の少ない化粧水を顔全体にたっぷり塗り、かさつきの気になる部分では乳液や保湿クリームを重ねて使用します。また、紫外線対策も大切です。汗や水では落ちにくいUVケアで、マスク内も含め顔全体に使用して下さい。マスクを外した後は、すぐにクレンジング・洗顔で汚れを落とし、保湿ケアを行います。角質はふやけていますので、できる限りそっとやさしくお手入れすることが大切です。また、夏に気になるべたつきや毛穴のケアには、古い角質を除去する酵素洗顔や、角質層にまで浸透する保湿ケアがポイントです。

マスクを使うコツ

医療用の不織布マスクは、気密性が高く摩擦による刺激が気になる例も多く見られます。ガーゼや柔らかいコットンの布を不織布の間に挟むだけでも、湿気を吸ってくれてだいぶ違います。蒸れてきたら、挟んだ布を時々交換するとさらに効果的です。また、肌に当たる部分がシルクのマスクは、湿気を適度にとり快適な肌環境を作ってくれます。TPOに合わせてマスクを使い分けしてもいいでしょう。

正しくマスクを着用する

息をしやすいように鼻を出した「鼻出しマスク」は、くしゃみなどで飛沫が拡散したり、ウイルスを鼻から吸い込むことになります。顎にマスクを引っ掛ける「顎マスク」は、マスクから外に出ている皮膚に付着したウイルスなどの汚れをマスク内に取り込み、再度口や鼻を覆った時にその汚れにより感染するリスクが高まります。さらに、大きさが合わずにずれてしまうと、摩擦で肌トラブルの原因になります。正しくマスクを着用することは、感染症対策のみならず、肌荒れ予防にもとても大切です。

<正しいマスクの着用例>

正しいマスクの着用例 正しいマスクの着用例

正しくマスクを外す

マスクを外す場合は、マスクの紐をもって外します。マスクの表面にはウイルスなどが付着している可能性があるので、絶対に触ってはだめです。また、外したマスクを再度使用する場合(食事の後など)は、抗ウイルス加工が施されているマスク入れに入れて保管します。捨てる場合は、ビニール袋に入れてビニール袋の口をしばってから捨てます。マスクを外した後は、必ず手指のアルコール消毒もしくは手洗いを行います。

正しいマスク肌荒れ対策と保湿ケアで、これからの暑い夏の時期でも肌トラブルが起きないようにお過ごしください。そして、正しいマスク着用で、少しでも早くコロナ禍が終息します事を、心より願っています。

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