堀内 祐紀 先生

ニキビの出来るメカニズム

秋葉原スキンクリニック
院長
堀内 祐紀 先生

ニキビの基礎知識

 日本人の90%以上が一生のうちに一度は経験すると言われている「ニキビ」。
小さいニキビだから放っておいても大丈夫。青春のシンボルだからしかたない。と思っていませんか?
 実はこのニキビ、「尋常性座瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気なのです。たかがニキビ、されどニキビ。ニキビを放っておくと、皮膚に陥没、しこりや赤み、黒ずみが残る原因になるため、正しい知識を得て、賢く素早くニキビを治療、予防することが大切です。

最近のニキビ事情

 かつてはニキビは思春期、若い人の皮膚トラブル。と思われていましたが、最近では20代~50代までニキビに悩む方が増えています。
 職場が常に空調の効いた乾燥した環境であることに加えて、ストレスにさらされやすい現代の生活、運動不足による冷え症の増加などにより、皮膚代謝が落ち、ホルモンバランスの崩れなどから大人になってからニキビが発生する方も少なくありません。
 10代ではないから、これは「吹き出物」。と思っているもののほとんどがニキビの可能性があります。

ニキビの出来るメカニズム

面ぽうニキビ写真
▲写真A
毛穴の出口がふさがり、そこに皮脂腺からの皮脂や汚れがたまることで
微小面ぽう、面ぽうという小さい「つまりニキビ」が出現。

赤ニキビ写真
▲写真B
面ぽうを放置しておくと、毛穴の中に排泄されない皮脂がどんどんたまり、皮脂を好むアクネ菌が増殖し、炎症をおこして赤ニキビとなります。

黄ニキビ写真
▲写真C
炎症がおきたニキビを放置していると、さらに膿をもつ黄ニキビに悪化します。

色素沈着、陥没写真
▲写真D
ニキビが治った後に赤みと色素沈着、陥没が残ります。

ニキビかと思いきや・・・

 ニキビに似た症状を引き起こす皮膚病の中に、「マラセチア毛包炎」という病気があります。
 発疹は赤く、時に膿をもち、見かけはニキビに非常に似ていますが、原因がニキビの原因菌であるアクネ菌ではなくマラセチアというカビの一種です。
 症状は、ニキビに比べ、大きさが均等にそろった赤みの強い発疹が多数見られることが特徴ですが、見た目でニキビと区別することはなかなか難しい病気です。
 汗が多くなる時期や紫外線に当たる時期に多く見られ、通常のニキビ治療を行っても治りません。
 診断は発疹の内容物を取り出し、顕微鏡で見たり、培養検査をすることで確定されます。

ニキビのスキンケア

 ニキビで悩んだ時は、まずは皮膚科に相談してください。最近では治療と予防を兼ねた新しい外用薬も処方できるようになりました。
 また、正しいスキンケアを心がけることも非常に重要。現代のニキビの原因として、皮膚の乾燥が原因である人が非常に多く見られます。角質層という皮膚の一番外側をしっとり潤すことで、毛穴の出口がふさがりにくくなり、スムーズな皮脂排泄が期待できます。それにより、「つまりニキビ」が減り、目立つニキビの予防になるはずです。
 保湿する際は、まず、低刺激であることが重要です。ニキビ肌の人は非常に皮膚がデリケートになっているため、メントールやアルコールが入った化粧品が刺激になることも多々あります。そして、お勧めは「ノンコメドジェニックテスト」を施行済みの化粧品を選ぶこと。発売前にニキビになりにくいかどうかをテストで確認している商品にこの記載があります。

 たかがニキビ、されどニキビ。ニキビひとつで気分が塞いだり、自分に自信がなくなってしまう。そんな方たちも沢山います。正しいスキンケアを実行し、ニキビのお悩みから開放されましょう。

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