石橋 理津子 様

足のケアって大事なの?
誰でも出来る足トラブルの早期発見

日本フットケア学会認定フットケア指導士
日本下肢救済・足病学会認定足病認定師
石橋 理津子 様

近年、医療の現場では足を守るための治療に取り組む施設がふえてきました。原因の多くは糖尿病が関与しています。国内における糖尿病患者の数は年々増加しており国をあげて糖尿病患者の足を救う取り組みを行っています。
さて、足に問題が起きるのは糖尿病の方々だけでしょうか?社会問題となっている国民の高齢化も問題です。多くの高齢者が何かしらの足のトラブルを抱えています。巻き爪や胼胝(べんち:たこ)、鶏眼(けいがん:うおのめ)による痛み、それらによる炎症など。医療機関による治療ももちろん必要な場合がありますが、自分でも足のトラブルを早期に発見し予防することができるケアがあります。
それが「足浴」です。今回、誰でもできる足のケア、「足浴」の方法をお教えします。

画像1:
まずは、深めのバケツを用意しましょう。そこにたっぷりのお湯を注ぎます。
出来れば膝下までつかるくらいが、下腿(かたい:ひざから足首までの部分)全体を暖めることが出来るため血流促進や、リラクゼーション効果が高くなります。

お湯の温度は37度前後が適温です。足の体感温度は体幹よりもやや高めです。温度計で温度を計ることをお勧めしますが、温度計が無い場合は、ご自分の手を入れ、少し温いかな?と思う程度が適温です。

深めのバケツ深めのバケツ
▲画像1 深めのバケツ

画像2:
足をゆっくりとつけましょう。5~10分つけておくと汚れが浮き取れやすくなります。

足を一旦お湯からあげ石鹸で洗いましょう。使用する石鹸は弱酸性のものをお勧めします。
肌のpHに最も近いからです。

石鹸でそのまま擦っても汚れはおちず、擦ることで肌が傷つきます。ナイロンタオルや軽石は表面が荒い為、肌を傷つける恐れがあるので使用は控えましょう。

足をつける
▲画像2 足をつける

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石鹸は泡立てて使いましょう。ビニール袋にお湯を少量いれ、石鹸液を混ぜ、勢いよくビニール袋を振ってください。目の細かい泡ができます。

泡立てた石鹸
▲画像3 泡立てた石鹸

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泡立った石鹸のはいったビニール袋に片足ずつ入れ、足趾(そくし:足の指)の間や爪の生え際も入念にやさしく洗ってください。汚れが良く落ちます。

泡立てた石鹸につける
▲画像4 泡立てた石鹸につける

画像5:
洗ったあとは新しいお湯をかけ、石鹸が残らないように、しっかりと洗い流してください。

かけ湯
▲画像5 かけ湯

画像6:
流し終えたら、乾いたタオルで足趾の間もしっかりふきあげましょう。拭き残しがあると雑菌が繁殖しやすい環境となり足白癬(あしはくせん:水虫)などの原因にもなります。注意しましょう。

かけ湯
▲画像6

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拭いたあとは保湿剤を使いスキンケアを行います。
保湿剤を塗る際は、足先から膝に向かって少し圧迫気味に塗っていきましょう。リンパの流れを良くし、足の浮腫み(むくみ)も軽減します。趾間部(しかんぶ:足の指と指の間)には塗らないようにしましょう。足白癬の原因となります。

保湿
▲画像7 保湿

ここまでが「足浴」の手技となります。
足浴をする際に、足の色や足の温度、浮腫みなどを観察しましょう。足の色が紫がかっていたりする場合は血の流れが悪いのかもしれません。また、異常に赤かったり腫れていたら何かしらの感染が疑われます。痛みを伴うようであればすぐに医療機関を受診しましょう。巻き爪で問題になるのは痛みです。これは爪が皮膚に食い込む痛み、食い込んでそこから菌が入り感染した痛みなどが考えられます。食い込む痛みに関しては、足浴をした後は食い込んだ爪が多少柔らかくなっています。その時に食い込んだ部位にコットンなどを詰め込むことで痛みが和らぐことがあります。感染した痛みは腫れが伴います。すぐに医療機関での処置を受けましょう。
1日1回以上、人は必ずと言ってよいほど「顔」を鏡で見ます。しかし「足」を1日1回以上、足の甲から足底、趾の間までみるでしょうか?「足」を見る事、これが一番のトラブルの早期発見につながります。足を1日1回見る習慣をつけましょう。

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