夏になると体のニキビがひどくなる、という悩みをお持ちの方がいらっしゃいます。
それは、本当にニキビでしょうか?
いわゆるニキビとは、「尋常性ざ瘡」のことです。これは、毛包に付着している皮脂腺から排出された皮脂が毛穴の中に溜まり引き起こされるトラブルです。典型的な症状としては、毛穴が詰まって皮膚の表面がざらざらした状態の面皰、炎症が出現し軽い痛みも感じる赤ニキビ、さらに進行すると膿がたまる黄ニキビに分類されます。炎症には、皮脂を好むアクネ菌が関与しています。思春期になり出現するニキビは、この尋常性ざ瘡が主です。額から鼻、顎にかけてのTゾーンや下顎のラインに沿ってできることが多いですが、人によっては胸や背中、上腕にもみられます(写真1)。
症状がひどい場合、固いしこりのようになったり、にきびあとになったりします(写真2)。
ニキビ(尋常性ざ瘡)の治療は、毛穴のつまりを改善する外用薬とアクネ菌に効果のある抗生物質の外用薬または内服薬を中心に使います。
予防は、バランスの取れた食事、十分な睡眠など規則正しい生活習慣が基本です。背中のケアとしては、石鹸の泡でやさしく洗うこと、刺激の少ない清潔な肌着を着用すること、皮膚が乾燥する場合は保湿をすることが大切です。
尋常性ざ瘡によく似ている「マラセチア毛包炎」という病気があります。アクネ菌ではなくマラセチア属真菌(カビの一種)が関与しています。見た目は、尋常性ざ瘡によく似ており、ひとつひとつの皮疹の見た目で尋常性ざ瘡とマラセチア毛包炎を見分けるのは難しいです。
皮疹の分布は、胸、背中、肩、上腕にみられることが多く、赤みがあり、時に先端に膿を持ちます。尋常性ざ瘡は、面皰、赤ニキビ、黄ニキビと病期の異なる皮疹が混在するのに対して、マラセチア毛包炎は皮疹が単一であることと、面皰がほとんどみられないのが特徴です(写真3)。
また、痛みではなくかゆみを伴うことが多く、温度や湿度の影響を受けるので夏季に悪化する傾向にあります。診断は、皮疹の先端の一部をとり、染色液を使って顕微鏡で観察し、マラセチア属真菌を見つけることですが、少し時間がかかります。
治療は、抗真菌薬の外用薬または内服薬を使います。マラセチア毛包炎の症状は、一度よくなっても再発しやすく予防も大切です。夏に悪化することが多いので、汗を吸収して素早く乾くような肌着や季節にあった衣類を着用すること、汗をかいたらシャワー浴することを心がけましょう。
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