敏感肌の原因とは?正しいスキンケアの方法と化粧品の選び方

敏感肌の原因とは?
正しいスキンケアの方法と化粧品の選び方

「はじめての化粧品を使うと、ヒリヒリしたり、しみたりすることがある」「化粧品で肌が荒れたことがある」「季節の変わり目や、体調変化によって肌トラブルを起こしやすい」など、ちょっとした刺激や環境変化に肌が反応してしまう「敏感肌」。
お肌がデリケートな方は、毎日のお手入れや化粧品選びにも、とても気をつかっていると思います。
この記事では、敏感肌になる原因とともに敏感肌の方向けの正しいスキンケア方法や化粧品の選び方について解説します。

敏感肌とは

「敏感肌」とは、摩擦や刺激性物質、アレルゲンなどの外的刺激に対して敏感に反応してしまう状態の肌のことをいいます。
敏感肌の方は、肌がヒリヒリしたり、赤み、かゆみ、ブツブツなどの肌トラブルを抱えていることが多いのではないでしょうか。
こうした肌トラブルは、洗顔料や化粧品の成分と肌の相性だけでなく、以下のようなさまざまな要因によっても起きることがあります。

  • ・物理的な刺激(季節や湿度・温度などの環境変化、繊維のチクチクや衣類による圧迫、こすれなど)
  • ・化学物質による刺激(化粧品や洗顔料に含まれる成分やアルコール、香料などの添加物)
  • ・心理的なストレス
  • ・体調変化(疲労の影響や月経周期など)
  • ・食べ物(香辛料の刺激など)

敏感肌を自覚しやすいのは、外気や化粧品に触れることの多い顔まわりですが、顔以外の部位にも肌トラブルが起きることもあります。

敏感肌の原因

敏感肌の人は、なぜ健康な肌では問題のない、化粧品や衣類のこすれ、気候変化などのちょっとした外的刺激に対して敏感に反応してしまうのでしょうか。その原因やそのメカニズムについて詳しくみていきましょう。

●肌のバリア機能が低下している

肌のバリア機能の低下

敏感肌になってしまう根本的な原因は、「肌のバリア機能」の低下です。
肌のバリア機能とは、お肌をみずみずしく保つとともに、外からやってくるさまざまな刺激から肌を守るしくみのこと。表皮の一番外側の「角質層(角層)」と、それをおおう皮脂膜が主にその役割を担っています。
タイルのように敷き詰められた角質層の細胞と、皮脂膜のヴェールが強力なバリアとなり、肌の内部に侵入しようとするアレルゲンや汚れ、細菌やウイルスなどをブロックするとともに、摩擦や温冷刺激、紫外線などの物理的な刺激から肌を守っているのです。さらに、肌の内部と外界とを区別し、肌表面から水分が抜け出るのを防ぐ重要な役割も担っています。

しかし、敏感肌の場合、この角質層と皮脂膜でできたバリアに隙間ができて、そこから水分が外部に逃げ出し、肌が乾燥しやすくなっています。さらに、肌内部に水分を蓄えるためのセラミドや天然保湿因子と呼ばれる成分も減少し、バリア機能が著しく低下していきます。

バリア機能が低下すると、肌はさまざまな外的刺激に対して無防備な状態になるため、健康な肌であれば気にならないわずかな外的刺激に対しても肌が反応し、ヒリヒリや赤みなどの違和感として肌にあらわれてしまうのです。

●肌のバリア機能が低下する原因

ではなぜ、肌のバリア機能が低下してしまうのでしょうか。
肌のバリア機能が低下する主な原因となるのが「肌の乾燥」です。
バリア機能を担う角質層の厚さはわずか、約0.02mm。ちょっとした外的刺激により表皮に傷ができたり、皮脂膜のヴェールがダメージをうけたりすることによって、肌のバリアに隙間が生じ、そこから水分が抜け出て乾燥が進むのです。

肌のバリア機能の低下は、日々の生活のなかの習慣が原因になっている場合があります。たとえば、“間違ったスキンケア”です。肌を清潔にしようとするあまり、洗浄力の強い洗顔料で皮脂を必要以上に落としたり、タオルや洗顔ブラシで肌をこすって角質層を傷つけていたりします。また、適切な保湿ができていないこともバリア機能低下の原因になっています。

バリア機能が低下したまま放置していると、肌の内部に侵入してきた外的刺激に対して肌が過敏に反応して、ヒリヒリやかゆみなどの違和感が常にある状態になります。そしてつい、無意識に掻いてしまったりして、さらに角質層を傷つけ、さらにバリア機能が低下するという悪循環に陥っていきます。

敏感肌のスキンケアの基本

敏感肌のスキンケアの基本

敏感肌を改善するためには、「バリア機能を正常に保つ」ことを意識したスキンケアを日々の生活のなかで実践することが大切です。敏感肌のスキンケアの基本は主に4つです。

  • ・肌に負担をかけない洗顔
  • ・こまめな保湿
  • ・通年での紫外線対策
  • ・肌に負担をかけないメイク

敏感肌のためのスキンケアの基本について、その考え方と具体的な方法を詳しくみていきましょう。

●肌に負担をかけない洗顔

洗顔は、肌についたほこりや皮脂汚れを除去し、肌を清潔に保つために毎日欠かせないものです。しかし肌のバリア機能を正常に保つためには、“洗いすぎ”や“こすりすぎ”は良くありません。敏感肌の場合は、とにかく肌に負担をかけない洗顔を心がけましょう。
洗顔料は、敏感肌向けの、肌に必要なうるおいを残しつつ、適度に汚れを落とすものを選ぶことを意識しましょう。また、洗顔方法にも工夫が必要です。
洗顔の際は、ぬるま湯であらかじめ軽く予洗いをしてから、洗顔料を手に取ってよく泡立てます。手を逆さにしても泡が落ちないぐらい、弾力のある泡ができたら、泡で顔を包むようにやさしく洗顔します。
洗顔料が顔に残ってしまうと、肌トラブルの原因になるため、すすぎ残しがないようにすることも大切です。

また、洗顔後は清潔な柔らかいタオルで余分な水分を吸い取ります。
洗顔中もタオルドライの時も、手指やタオルで肌をこすらないように注意しましょう。

関連記事:敏感肌の方におすすめの洗顔料とは?選び方のポイントや洗顔時の注意点

●こまめな保湿

洗顔後の肌は、うるおっているように見えますが、実際は肌の皮脂が一時的に減少して、乾燥しやすい状態になっています。放置していると、肌の内部からどんどん水分が逃げだして、つっぱってきます。肌が乾燥しはじめる前に、化粧水や乳液、クリームなどの保湿剤で水分と油分を補い、肌を保護しましょう。洗顔後というのは、保湿成分が肌に最も浸透しやすいタイミングでもあるため、より効果的に保湿することができます。
保湿の際も、肌への摩擦は厳禁です。手のひらに十分な量の保湿剤を広げ、やさしく顔にあてるようにして保湿剤をたっぷりと塗りましょう。

関連記事:敏感肌におすすめの化粧水はどれ?選び方のポイントと正しい使用方法

●通年での紫外線対策

紫外線は1年を通して降り注いでいます。季節を問わず紫外線を浴び続けると、日やけやシミ、くすみ、シワなどの「光老化(ひかりろうか)」が起きるだけでなく、肌の乾燥など、バリア機能を低下させる原因にもなります。

そこで、普段から日やけ止めを塗り、紫外線によるダメージから肌を守りましょう。
クリームタイプの日やけ止めであれば、顔全体に対してパール粒2個分の量を目安に、とり、顔に塗るときは、両頬、額、鼻、あごの5点くらいにおいてから丁寧になじませるようにしましょう。

関連記事:敏感肌のための日焼け止めとは?知っておきたい正しい紫外線対策や日焼け止めの選び方について

●肌に負担をかけないメイク

敏感肌に悩む方にとって、「メイクは肌の負担になるもの」というイメージがあるかもしれません。しかし敏感肌を考慮した、肌にやさしいメイクは、肌を美しく見せてくれるだけでなく、肌に降り注ぐ紫外線や汚れ、アレルゲンや乾いた空気などから肌を守る働きもあるのです。化粧下地やファンデーション、アイシャドウなどの化粧によって作られる塗膜が、ヴェールのように肌をおおい、デリケートな肌を守ってくれます。
メイクをする際は、肌の負担にならない成分やつけ心地に配慮した、敏感肌向けのメイク製品を使うようにしましょう。

関連記事:敏感肌・乾燥肌の方がメイクをするときにおさえておくべきポイントとは?

敏感肌に合った化粧品の選び方

敏感肌の方が肌トラブルを防ぐためには、自分の肌に合った化粧品を選ぶことが大切です。敏感肌の方におすすめの、肌にやさしく、負担をかけない化粧品の選び方をみてきましょう。

●化粧水

敏感肌の方は、肌のうるおいが不足していることが多く、またちょっとした刺激に弱い状態になっている場合が多いので、化粧水は低刺激性でうるおい成分が配合され、しっかりと肌をうるおしてくれるものを選びましょう。
角質を除去する成分が入っている製品や、アルコール成分などが入っている製品は刺激になる場合があるので避けましょう。敏感肌向けに作られた低刺激性の化粧水がおすすめです。
敏感肌の方は、肌に余計な刺激を与えないためにも、「アルコールフリー」や「無香料」「無着色」などと記載されているものを選ぶようにしましょう。さらに、肌への安全性を確認するパッチテストやアレルギーテストなどが実施されている製品かどうかを確認することも、製品選びのポイントです。

関連記事:敏感肌におすすめの化粧水はどれ?選び方のポイントと正しい使用方法

●乳液・クリーム

化粧水のあとは、必ず乳液やクリームで油分を補ってあげましょう。化粧水の選び方と同様、低刺激性の記載がある、敏感肌向けの商品を選びましょう。
肌のうるおい成分「セラミド」や「ヒアルロン酸」、「天然保湿因子構成成分」などを配合しているものは、肌のバリア機能のサポートにも役立ちます。使用感の好みや季節、顔の使用部位によって、乳液とクリームを使い分けるのもおすすめです。

関連記事:敏感肌におすすめの乳液・クリームはどれ?選び方のポイントと正しい使用方法

●クレンジング

メイクや落ちにくい日やけ止めを使用した日は必ず洗顔の前にクレンジング料を使うようにしましょう。クレンジング料は、オイル、ミルク、ふき取り、などタイプによってもメイクなどの油性成分を落とすクレンジング力が異なります。
クレンジング力が強いものは肌への刺激も強いため、肌が敏感なときにはなるべくやさしくメイクを落としてくれるミルクタイプのものがおすすめです。またクレンジング力が足りない場合は、メイクの濃さなどに応じて、目元と顔全体などでクレンジング料を使い分けるなどの工夫をするのもよいでしょう。

関連記事:敏感肌におすすめのクレンジング料はどれ?選び方のポイントと正しい使用方法

●洗顔料

洗顔料は、肌のバリア機能のことを考え、肌に必要なうるおいを残しながら、適度に汚れを落とせるものがおすすめです。すすぎ残しから肌トラブルが起きるのを防ぐために、泡切れが良い洗顔料であることも重要です。
肌が敏感になっているときは洗いすぎや脱脂力の強いものでの洗顔も肌への刺激になるので、洗顔の頻度や洗顔料の選び方には注意が必要です。

関連記事:敏感肌の方におすすめの洗顔料とは?選び方のポイントや洗顔時の注意点

●日やけ止め

肌を守るために欠かせない日やけ止めですが、肌トラブルが心配なときは、紫外線を乱反射させて日やけを防ぐ、紫外線吸収剤フリーの日やけ止めを選ぶと良いでしょう。SPF・PAといった指標で数値が高いものや+の数が多いものをよいものと思って選びがちですが、レジャー向けなどの日やけ止めは落ちにくい仕様になっているため、日やけ止めの成分が肌に残りやすく、肌への負担になるので、使用シーンや目的にあわせて日やけ止めを使い分けるようにしましょう。
またニキビなどでお悩みの場合は、ニキビのできやすさを確認した『ノンコメドジェニックテスト済み』の商品であるかどうかを確認しましょう。

関連記事:敏感肌のための日やけ止めとは?知っておきたい正しい紫外線対策や日やけ止めの選び方について

まとめ

「肌がデリケートで、ちょっとしたことで肌の調子が崩れる…」。そんな敏感肌は、肌を守るバリア機能の低下が原因のひとつです。肌トラブルを防ぎ、敏感な肌状態にならないようにするために必要なのは、正しいスキンケア習慣。敏感肌の方は特に、自分の肌に合ったスキンケア製品を見つけることが非常に大切です。

毎日欠かさずお肌をお手入れし、肌のバリア機能をすこやかな状態に保つことができれば、肌本来の力がよみがえってきます。敏感肌ならではの悩みに寄り添ってつくられた敏感肌向けのスキンケア製品を試してみて、自分の肌に合うものを見つけましょう。

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