敏感肌・乾燥肌の方にとって、肌が敏感になっているときにメイクをしても問題ないのか不安に思っている方がいるかもしれませんが、必ずしもメイクが肌に悪いわけではありません。それではどのようなことに注意してメイクをすればよいのでしょうか?
ここでは、敏感肌・乾燥肌の方向けに、メイク前のスキンケア方法やメイク時やメイクを落とすときの注意点などについてご紹介します。
結論からいうと、敏感肌や乾燥肌でもメイクをしても基本的には問題はありません。
化粧水や乳液、クリームなどのスキンケアは肌に良いイメージがあるかもしれません。しかし、化粧下地やファンデーション、アイシャドーなどのメイクはなんとなく肌に悪い影響を与えそうなイメージがありませんか?
メイク用品が必ずしも肌に悪いわけではありません。たとえば、ファンデーションで紫外線によるダメージや花粉、ほこりなどの外部刺激から肌を守ることができます。ただし、メイクの商品の選び方や使い方によっては、肌状態を悪化させる原因になることもありますので注意しましょう。
肌のバリア機能が低下しやすい敏感肌・乾燥肌の方がメイク前におさえておくべきポイントを紹介します。
肌が乾燥しないようにするためには、肌のバリア機能をベストな状態にすることが大切です。肌が乾燥するとメイクがのらないばかりか、肌に負担がかかったり、メイクが崩れやすくなる可能性があります。
メイクをきれいに仕上げるためにはメイク前に肌をうるおった状態にすることが理想的です。そのために、しっかりと保湿をすることが重要なので、化粧水で角質層まで水分を補給し、その後は乳液やクリームなどで油分を与えて、水分と油分のバランスを整えるのが効果的です。
そうすることでメイクがきれいに仕上がり、メイク崩れもしにくくなります。
デリケートな肌質を持つ敏感肌・乾燥肌の方にとって、肌をこすることは肌あれなどの肌トラブルの原因になりやすいものです。なるべく肌をこすらないようなスキンケアを心がけましょう。化粧水や乳液などは手にとったら優しく肌にのせてなじませます。化粧下地やリキッドファンデーションなどは顔の数カ所に分けてのせ、滑らせるように優しく広げましょう。メイクブラシを使う際は、肌への刺激を与えにくい、肌あたりの良いものを選び、ブラシを立てずに斜めに滑らせるのがコツ。肌の刺激になるような塗り方はできるだけ避けましょう。
紫外線は肌に炎症を起こしたり、シミ・シワなどの肌トラブルの原因となったりします。また肌を乾燥させてしまうので紫外線対策を欠かすことはできません。
化粧下地や日焼け止めを選ぶ際には紫外線カットの指標となるSPF値やPA値を参考にしましょう。商品によっては保湿成分が配合されているものもあるので乾燥が気になる方はそういった成分についても選ぶ際の参考にしましょう。
また、肌の負担にならないように、化粧下地や日焼け止めには紫外線吸収剤が使われていないものを選ぶのもおすすめです。敏感肌・乾燥肌用という表示がある低刺激性の商品を選んで対策するのも良い方法です。
メイクで肌トラブルを起こした記憶から、メイクに臆病になっている方がいるかもしれません。そこで敏感肌・乾燥肌でメイクがうまくいかないと悩んでいる方のために、どのようなポイントをおさえてメイクをすると良いのかをまとめしました。
過度なメイクは肌に負担をかけてしまい、肌あれや炎症などのトラブルを起こす原因になります。さらに肌トラブルを隠して、肌をきれいに見せたいという心理が働くため、メイクが厚くなりがちに。そこで肌の悩みにあったメイクを選ぶことで、自然な仕上がりになるように心がけてみましょう。
ファンデーションの厚塗りをしないために、肌のトーンが暗くなる「くすみ」、肌あれなどの「赤み」などの色調の悩みに対応した色補正機能がついた、青、ピンク、緑色などの化粧下地を使うと良いでしょう。お悩みに応じて肌のトーンを調整し、赤みなどをうまくカバーしてくれるのでファンデーションが薄くてもきれいな仕上がりに。
また、年齢を重ねていくと、肌の乾燥やシワ、ごわつき、毛穴の開きなど肌質の変化が現れます。その場合は、肌の表面を滑らかに見せてくれる、肌の見え方を補正する化粧下地がおすすめです。このように肌の悩みに合わせてメイクを一工夫すると自然な仕上がりになります。
石鹸でメイクが落とせる化粧品は、肌を強くこすらずにメイクが落とせるのでメイク落とし(クレンジング)を使わないと落とせない化粧品と比べると肌の負担は少ないでしょう。特に肌の状態がデリケートなときは石鹸で落とせる化粧品を選ぶようにしましょう。
メイク落としを使うなら、うるおいを与えながらメイクを落とせるタイプのものをおすすめします。敏感肌・乾燥肌用と表示されている商品を選ぶのも良い方法です。また、アイメイクなど落ちにくいメイクの場合は、目元用などの部分用のクレンジング料と顔全体用のクレンジング料を組み合わせて使うこともおすすめです。
皮脂と汚れが付いたパフ。見た目はきれいに見えるかもしれませんが、雑菌とカビは皮脂をエサにしてパフの中で増殖して不衛生になりがち。そのまま使うと顔に雑菌やカビを塗り広げることになり、炎症やかゆみ、肌あれの原因になることもあります。
毎日洗うのが難しくても、敏感肌の方は最低でも3、4日に一度は定期的に洗うのが衛生的に良いでしょう。定期的に洗えない場合は何個かストックを用意して使いまわしをするのがベスト。忙しくて洗えない場合でも週末など休日にまとめて洗うことができます。万が一洗えなかった場合、パフの使用感がいつもと違う、においがするなど異常を感じたらパフを捨てる勇気が必要です。
アイシャドー、口紅、アイライン、チークなどの色の付いた低刺激性の化粧品をポイントメイクにうまく取り入れると、全体的に華やかな印象になります。メイクにメリハリをつけることで、気になる部分の肌の負担を軽減しながらも、美しく見せてくれます。また、肌トラブルのある場所から相手の視線をそらすことができるため、メイクをする人にとって安心感が高まり、心理的に良い効果をもたらします。
肌悩みを持つ方にとって、自分に合う化粧品を見つけることは日常生活を気持ち良く過ごすために大切なことです。
化粧品を選ぶときにどんなことに気をつけたらよいのでしょうか?
敏感肌向けの商品では肌トラブルやニキビなどが起きにくい化粧品かどうかの皮膚安全性試験を実施しています。パッチテストは肌にトラブルを起こさないか、アレルギーを起こさないかどうか確認する試験で、ノンコメドジェニックテストはニキビの元となるコメドが化粧品によって発生するかどうか確認する試験です。一定の基準をクリアした化粧品にはパッチテスト済み・ノンコメドジェニックテスト済みと表示されています。
すべての方にアレルギーやコメドの発生などの肌トラブルが起きないわけではありませんが、上記のような安全性試験のテスト済みの表示がある化粧品を選ぶことによって肌トラブルを起こすリスクを減らすことができます。もしサンプルやトライアルセットがあれば、化粧品を購入する前に肌トラブルを起こさないか、事前にチェックしたり、使用感を確認することをおすすめします。
敏感肌・乾燥肌の方は肌のうるおい成分を肌内部に維持できず、バリア機能が低下しやすい傾向があります。そのため刺激によって炎症などのトラブルが起こりやすいので、いかに肌に刺激を与えないかがカギとなります。ではどのようなポイントに注意してメイクを落とせばよいのでしょうか?
忙しい、面倒などの理由で使いがちなメイクのふき取りシートですが、メイクを落とす際にこのシートでゴシゴシとこすってしまうと、シートと肌の間で摩擦がおこり、それが肌への刺激や負担になり、肌トラブルの原因になってしまうことがあります。肌が敏感な方は、肌に負担の少ないミルクタイプなどの低刺激性のクレンジング料を使用するのがおすすめです。
肌に負担をかけないポイントは、手の表面との摩擦が起こらないようにたっぷりの泡で洗顔をすることです。皮脂や汚れ、肌に付いたほこりや花粉は泡やぬるま湯で流すことができるので、強くこする必要はありません。
洗顔のコツはまず軽くぬるま湯で顔全体をすすいで、そのあとたっぷりの泡をたてることです。泡立てが十分でないと肌と手の摩擦で刺激になってしまいます。泡がうまく立たない場合は、泡立てネットを使ったり、泡で出てくる洗顔料を使いましょう。皮脂の分泌が多いTゾーンや小鼻の周りから優しく泡を顔全体に伸ばしていきます。伸ばすときは肌になるべく触れないようにするのがポイントです。泡をぬるま湯で落とし、泡が残っていないか最終的に鏡でチェックしましょう。洗顔後はタオルで優しく押さえるように水気をふき取りましょう。
詳しくは、「洗顔が肌あれの原因になる?洗顔時のNG行動と正しい洗顔方法」をご覧ください。
洗顔直後は時間が経過しするほど水分の蒸発とともに肌の乾燥がすすみがちなので、できるだけ素早く保湿ケアをするようにしましょう。
洗顔後の肌に、化粧水で水分をたっぷり補充し、水分が蒸発しないように乳液やクリームなどの油分でふたをします。乾燥しやすい目の周りや口の部分は重ね塗りをすると効果的です。水分と油分のバランスを整えることで肌トラブルを起こしにくいすこやかな肌に導くことができます。
敏感肌・乾燥肌の方が肌悩みにフォーカスしたスキンケアを取り入れることで肌を良い状態に保つことができます。メイクは紫外線や乾燥、ほこりや花粉などの外部刺激から肌を守る効果もあります。ファンデーションを厚塗りしないために肌の悩みにあった化粧下地を使ったり、コンシーラーなどを部分使いすることで、過度にメイクをすることなく美しく見せることも可能です。
また、ポイントメイクは肌トラブルから相手の視線をそらすことができ、華やかな雰囲気になるので、自信がつき心理的にプラスの効果も。
敏感肌・乾燥肌の方でも保湿のスキンケアをしながらメイクと上手に付き合うことで日々の生活を明るく楽しく過ごすことができるでしょう。
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