紫外線はお肌の大敵――。そう分かっていても、毎日日焼け止めを塗るのが面倒で、ちょっとしたお出かけなら大丈夫だろうとおもって、うっかり日焼けしてしまうことはありますよね。
日焼けを放置しておくと、肌に炎症が起こったり、シミやしわ、くすみといった将来の肌トラブルにもつながるため、日焼けをした際にはアフターケアが必要です。ここではそのケア方法をご紹介します。
日焼けには2段階あります。紫外線を浴びた直後から起こる赤くなる日焼け「サンバーン」と、数日後に黒くなる日焼け「サンタン」です。
特にサンバーンは、紫外線による肌の「やけど」といっても過言ではありません。肌の細胞内の遺伝子が傷ついたり、炎症が起きたり、その結果として皮膚細胞が死んでしまったりと、緊急事態が起きているのです。
赤くなる日焼け「サンバーン」の症状は、紫外線を浴びてから最短4時間ほどで始まり、8~24時間前後でピークをむかえ、2、3日後には次第におさまっていきます。サンバーンにともなう痛みのピークは、紫外線を浴びてから6~48時間ほどだといわれています。
一方、紫外線を浴びてから72時間(3日)以降は、メラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)が活性化し、メラニンの生成が始まります。その結果が黒くなる日焼け「サンタン」です。これは本来、次に紫外線を浴びたときに肌を守れるよう備えるための防御機構なのですが、メラニンの過剰生成は将来の肌トラブルの原因にもなります。
なお、ひどい日焼けの場合、3~8日以降になると死んだ皮膚細胞が剥がれ落ち、皮むけが起こります。
サンバーンやサンタンといった日焼けは、シミなどの原因としては認識されますが、実は日焼けを長年しつづけることで皮膚内の細胞組織に少しずつダメージを与えるため、そのシーズンの問題にとどまらず、将来的な肌トラブルにつながります。実際のところ肌のシミ、しわ、たるみといった「肌の老化」の80%は、紫外線のダメージのせいだともいわれており、この現象は「光老化」(ひかりろうか)とも呼ばれています。
加齢による老化が経年で起こるのに対し、光老化の進み具合は浴びた紫外線の量や強さ、時間などで決まります。つまり、肌の老化を遅らせるためには、日々の紫外線対策の積み重ねが大切で、常に紫外線防御と日焼けのアフターケアを行うことが肌の老化を防ぐ決め手となるのです。
光老化では、紫外線を多く浴びたパーツに次のような症状がみられます。
「冬は紫外線が少ないから、特別なケアはいらないかな」「朝と夕方しか外を歩かないから、紫外線は浴びてないはず……」と考える方もいます。
しかし、紫外線は1年を通して肌にダメージを与えています。
例えば、赤くなる日焼け「サンバーン」の主な原因である紫外線B波(UVB)は、冬の12月〜1月でも、夏のピークである7月~8月の5分の1は降り注いでいます。
さらに、即時的な影響がわかりにくく、肌にジワジワとダメージを与える紫外線A波(UVA)は、季節による変化が少なく、秋~冬でも春~夏の2分の1は降り注いでいるのです。
時間帯についても、紫外線が多いのは日中(午前10時~午後3時頃)だというイメージがありますが、その時間帯に降り注ぐ紫外線量は、1日の60%だという研究報告もあります(6月の晴天下の場合)。また曇りの日のような日差しを感じない日でも晴天時の約6割程度の紫外線は降り注いでいます。つまり、日差しがないように感じる天気が悪い日や朝や夕方でも、紫外線量は決してゼロではないということを意識しておく必要があるということです。
こうした背景から、常に紫外線予防やアフターケアを行う必要があるのです。
日差しを無防備に浴びてしまったと感じたら、できるだけ早くアフターケアに取りかかりましょう。日焼けは「やけど」だからです。一般的なやけどした場合と同様に冷やすことで症状を軽くすることができます。素早いアフターケアを心がけましょう。
また、紫外線を浴びてから72時間(3日)経つと、メラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)が活性化するという問題もあります。将来的な肌トラブルを減らすためには、このメラニンの生成をできるだけ抑える対策も重要になります。
日焼けのケアはできるだけ早期に始める必要がありますが、適切な手順を踏むことが重要です。正しい手順を踏まない場合、かえって肌の負担になる可能性もあるので気を付けましょう。ここでは、日焼けのアフターケアの手順を説明します。
日焼けしてしまったことに気付いたら、できるだけ早く冷やしましょう。肌がやけどのような状態になっている場合、なるべく肌のほてりや赤みなどの熱をおさえてあげることが大切です。まずは濡れタオルに氷や保冷剤をくるみ、日焼けした部分に当てて冷やすのがおすすめです。
なお、このときジェルのついている冷却シートは使わないようにしましょう。日焼けで炎症を起こした皮膚には刺激になってしまう可能性があります。
肌のほてりや赤み、痛みが引いてきたら、皮膚を保湿して保護しましょう。
日焼け後の肌は紫外線によって角質層がダメージを受け、バリア機能が低下しているため、表面の水分を補ったり、外部からの刺激から肌を守ったりするために保湿をすることで肌を保護してあげる必要があります。
日焼け直後の肌は敏感になっているので、保湿の際も注意が必要です。
化粧水をつけるときは強くパッティングせず、やさしくプレスするようにしましょう。また、日焼けがひどく肌に炎症が起こっているときは、日頃のスキンケア商品の使用は中止し、肌の状態が改善したあとに乾燥肌や敏感肌にも使いやすい低刺激性のものを選んで保湿しましょう。
日焼けしたあとの身体は、水分が失われてカラカラの状態です。そのため、積極的に水を飲み、身体の内側から水分補給してあげることも欠かせません。
さらに日焼け後は、肌の修復のために必要な栄養素も普段より多く消費されます。特に、以下の成分を意識して補給しましょう。
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日焼けのアフターケアでは、パーツ別のコツ、ポイントがあります。
顔を日焼けしたときは、洗顔やお手入れが肌の負担にならないよう注意しましょう。洗顔時は、よく泡立てた泡で包みこむように洗い、タオルをそっと当てて余分な水分だけを吸い取るようにします。保湿の際のスキンケアアイテムも低刺激性なものを選ぶようにしましょう。
日焼け後の化粧は、肌に痛みや赤みがあるうちは控えめにするのが正解。痛みが引いてきてからも、丁寧に保湿したあと、こすらないように気をつけてメイクしましょう。
腕や脚、デコルテや背中などを広範囲にひどく日焼けした場合、濡れタオルなどで冷却するのはなかなか大変です。可能であれば、冷水シャワーや水風呂などでしっかりと冷やしたほうが肌のダメージ回復にはよいでしょう。また、ケアする際の保湿アイテムは、塗り広げやすいミルクタイプやローションタイプのものを選び、塗り残しのないようにたっぷりと使いましょう。
髪は、紫外線を浴びると髪のキューティクルがはがれて乾燥してしまい、髪のパサつきや枝毛、切れ毛の原因になります。また、頭皮は日焼けすると赤くなったり、そのダメージから抜け毛などの原因にもなります。
髪や頭皮は日焼けしてしまうとアフターケアがしにくい部位であるため、まずは日焼けをしないよう、日頃から日傘や帽子、UVスプレーなどを使用する習慣をつけましょう。
日焼け後のスキンケアには、低刺激性で保湿力の高いアイテムがおすすめです。日焼け後の肌にも安心して使えるスキンケア商品を紹介します。
日焼けによる肌ダメージを予防するには、日頃から紫外線対策を心がけることが大切です。
コラージュリペアUVクリームは、製薬会社グループが低刺激性にこだわって開発した「コラージュリペアシリーズ」の薬用保湿UVクリームです。低刺激性、無香料、無着色で作られており、紫外線吸収剤不使用でSPF35、PA+++。日常生活の紫外線を防ぎながら、日焼けによる肌あれや皮膚の乾燥を防ぐといった効果もあります。白浮きしにくく、しっとりと肌になじむ使い心地が特徴です。
コラージュリペアローションは、敏感肌を考えた低刺激性の薬用保湿化粧水です。みずみずしくうるおってしっとりとした肌に導きます。
肌あれ防止成分のトラネキサム酸を配合しており、肌へのやさしさにこだわった化粧水です。日焼け後のほてった肌の水分補給におすすめです。
コラージュリペアクリームは、肌あれ防止有効成分のトラネキサム酸配合の低刺激性の薬用保湿クリームです。こっくりとしたクリームが肌をつつみこみ、乾燥から肌を守りながら、うるおいに満ちたハリ・ツヤのあるしなやかな肌に整えます。化粧水で肌に水分補給をした後に肌に油分を与えてあげましょう。
強い日焼けをした際のアフターケアは時間との勝負です。特に日差しを浴びた当日は、ヒリヒリや赤みが出てしまった部分は急いで冷やし、炎症を抑えましょう。痛みや赤みのピークは24時間ほど。そのあとは、72時間以降に起こるメラニンの発生が問題になってきます。このとき、しっかりと保湿などのケアをおこなうことで、肌へのダメージの蓄積を少なくすることができることを紹介しました。
日焼け後の肌は、いつもよりも乾燥していて敏感な状態です。そのため、敏感肌・乾燥肌でも使える低刺激性のスキンケアアイテムを使うことをおすすめします。
また、こうした日焼けの際のアフターケアをしなくて済むよう、日頃から紫外線予防のケアアイテムを使用する習慣を身につけることも大切です。
日焼けの予防法とアフターケアの方法を知り、すこやかな肌を維持しましょう。
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