乾燥肌とは、肌のうるおいが不足して、肌が常に乾燥している状態のこと。
「一年を通して顔全体や顔の一部がカサカサして、かゆみがある。」「白い粉を吹いたようになってしまい、メイクがのらない。」「洗顔や入浴の後に肌がつっぱってしまう。」などのお肌の悩みの多くには、この乾燥肌が関係しています。
乾燥肌と呼ばれる状態には、具体的にどのような症状があらわれ、またその原因は何かを知り、乾燥肌に対する正しい知識とスキンケアを身につけましょう。日常生活や日頃のスキンケアにおいて、乾燥肌の方に注意してほしいポイントについても詳しく紹介します。
乾燥肌とは、肌の水分が不足して、乾燥している状態のことをいいます。肌の水分が不足しているため、肌ツヤが失われ、化粧のノリが悪くなったり、洗顔や入浴後に、つっぱった感じがしたりします。
乾燥肌の症状は、肌のかさつきやごわつき、粉が吹くなどです。乾燥症状が進むとちょっとした刺激でもピリピリとした刺激感やかゆみ、ひび割れなどの症状がでることもあります。
そもそも私たちの身体は、成人の場合、全身の約60~65%が水で構成されており、そのうちの約15~20%は肌に蓄えられているといわれています。肌の内部の水は、表皮へと送られ、肌表面を適度にうるおしているので、本来の健康な肌というのはみずみずしく、しっとりとしているものです。しかしさまざまな原因によって肌の調子が崩れると、肌表面から水分が抜け出して乾燥が進んでしまいます。乾燥した肌は、健康な肌では問題がないようなわずかな刺激でもヒリヒリと感じたり、赤くなったりと肌トラブルが起きやすくなります。
湿度が低下する季節や室内のエアコンの使用などによって、肌が乾燥した空気にさらされる機会は多くあります。それでも、肌が一定のみずみずしさを保っていられるのは、内部に水を閉じ込め、蒸発させないための仕組みが備わっているからです。この仕組みは、外界から体を守る「肌のバリア機能」と呼ばれています。
肌のバリア機能は、肌表面にあるわずか0.02mmの表皮が担っています。食品ラップほどの厚みしかない表皮の断面をみると、角質という細胞がタイルのように何層も積み重なって角質層を形成し、その隙間を「天然保湿因子(アミノ酸や尿素など)」や「角質細胞間脂質(セラミドや脂肪酸など)」などのうるおい成分が満たし、さらに角質層の表面を、皮脂と汗からできる天然の保湿剤である「皮脂膜」が覆うことで、強力なバリアを形成しています。しかし、乾燥肌の場合、このバリア機能が低下し、肌内部に水分を十分にとどめておくことが難しくなります。
肌のバリア機能の低下には、さまざまな原因が関わっています。また、同時に複数の原因が重なって、肌のバリア機能が低下することもあります。
ここでは、肌のバリア機能の低下の原因についてみていきましょう。
健康な肌の場合、水分と皮脂の良好なバランスがバリア機能を維持し、肌をつややかに保っています。しかし、偏った食事や睡眠不足などによって生活習慣が乱れると、皮脂の分泌がアンバランスになって肌トラブルが起きたり、肌の回復能力が落ちることでバリア機能が低下したりする原因になります。
特に、慢性的な睡眠不足は、ターンオーバーによる細胞の修復を妨げ、肌のバリア機能に深刻なダメージを与えます。また、睡眠時に出る成長ホルモンには、皮膚のターンオーバーの促進だけでなく、皮膚の水分を保つ働きや皮膚の細胞分裂や再生を促進する働きがあります。したがって、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が低下し、ターンオーバーが滞ることで肌の修復が間に合わなくなり、バリア機能が低下してしまうのです。
私たちの肌は、皮脂や汗を分泌して乾燥から肌を守ろうとする力を持っています。
エアコンが効いた空間で過ごしていると汗をかくことも少なく、肌本来の防御機能が働きにくくなります。汗や皮脂分泌の働きが低下すると、肌は乾燥しやすくなり、バリア機能が低下する原因のひとつになります。
太陽光に含まれる紫外線は、肌から水分を奪うとともに、肌の奥まで浸透して皮膚の若い細胞を傷つけます。傷ついた細胞があると、細胞の並びが不均一になり肌がゴワゴワして、肌のキメが整わなくなってしまいます。バリア機能を担っている角質層の細胞も不均一になって、ところどころ穴があいたような状態になり、バリア機能が低下してしまいます。
肌によいと思って実践しているスキンケアが、バリア機能を低下させることがあります。
特に注意すべきなのは「洗いすぎ」や「こすりすぎ」です。
洗顔のし過ぎは肌に必要な皮脂まで除去してしまい、結果的にバリア機能が低下してしまいます。洗顔中や洗顔後のスキンケアで肌を摩擦で傷つけていると肌のバリア機能を低下させる原因になります。
年齢を重ねると、肌が乾燥しがちになることはよく知られています。
実際、加齢とともに表皮に存在する天然のうるおい成分である「天然保湿因子」や「角質細胞間脂質」、表皮から分泌される「皮脂」の量が年々減少していきます。全身に占める水分の割合も、若いうちは60~65%であったのが、高齢になってくると50~55%へと減少するように、肌の内部の水分量も減ってきます。
加齢現象として避けられないことではありますが、皮脂や水分などが減少することによって、肌のバリア機能も弱まっていきます。
生まれ持った遺伝的な要因によって、乾燥肌になることもあります。肌質というものには個人差があり、もともと皮膚が薄い方や皮脂の分泌が少ない傾向がある方は、そうでない方にくらべて乾燥肌になりやすいと考えられます。 また、アトピー素因といって、アトピーになりやすい体質を持って生まれた方の場合も、肌が乾燥しやすく、わずかな刺激に対しても敏感なために、乾燥肌などの肌トラブルが起きやすいので注意が必要です。
乾燥肌の症状を改善していくためには、肌のバリア機能を回復させ、正常な状態に保つことがとても大切です。日々の生活のなかで、乾燥肌の方に注意してほしいポイントをお伝えします。
肌をこすってしまうと、角層が剥がれ落ち、バリア機能が低下する原因になります。特に洗顔中や入浴中は、無意識に肌をこすってしまうことがあるので注意しましょう。
洗顔をするときは、肌を傷つけないように、洗顔料をよく泡立ててから、泡で顔を包むようにやさしく洗いましょう。タオルドライの時も、清潔なタオルをそっとあてて、余分な水分を吸い取るようにし、肌に負荷をかけないように気をつけましょう。
熱いお湯に長くつかると、角質層がふやけて肌のバリア機能が傷つきやすい状態になってしまいます。特に、40℃を超える熱いお湯は、皮脂を流出させてしまうので、なるべく長風呂を避け、40℃くらいまでのぬるめのお湯で入浴したり、うるおい成分が配合された入浴剤などを活用しましょう。
洗顔や入浴の後は、一見肌がうるおっているように見えますが、実際には角質層がふやけた状態になっており、肌のバリア機能が正常に働かなくなっています。角質層にも隙間ができてしまっているので、時間の経過とともにどんどん水分が抜け出して、つっぱった感じやヒリヒリ感などの違和感が出てきます。
肌のバリア機能を回復させるためには、洗顔や入浴の後は、肌が乾ききらないうちにしっかりと保湿ケアをすることが大切です。
暴飲暴食や栄養不足などの食習慣の乱れは、皮脂のバランスを崩し、さまざまな肌トラブルの原因になります。肌のバリア機能や回復力を高めるためにも、バランスの良い規則正しい食生活を心がけましょう。健康的な肌を育むには、タンパク質、ビタミン、ミネラル類など、肌が必要とする栄養素をしっかり摂取することが大切です。
また、十分な睡眠をとって、肌のターンオーバーを促しましょう。特に、成長ホルモンの分泌が増える夜22時~深夜2時までの間は、ターンオーバーがもっとも盛んになるゴールデンタイムです。このタイミングを意識しながら、早めに就寝する習慣をつけましょう。
部屋の中は、エアコンの使用などによって意外にも乾燥しているものです。リビングや寝室に温湿度計を置いて、湿度を管理するのもおすすめです。
紫外線は常に地上に降り注ぎ、室内にいてもガラス越しに日焼けすることもあるので油断は禁物です。必ず日焼け止めを塗り、紫外線によるダメージから肌を守りましょう。乾燥が気になる方は保湿成分が配合されている、乳液またはクリームタイプの日焼け止めを選ぶこともおすすめです。
日焼け止めを塗る前にはしっかりと保湿剤を塗って肌を保護することも大切です。
日中の外出時には、帽子・日傘・長袖長ズボンなどを身につけ、直射日光をできるだけ浴びないようにしましょう。
乾燥肌の方のスキンケアには、肌のバリア機能に着目した低刺激性のアイテムがおすすめです。
コラージュリペアシリーズは、皮膚科学に基づいた敏感肌研究によって生まれた低刺激性スキンケアシリーズです。低刺激性・無香料・無着色・アルコール(エタノール)無添加で肌に負担をかけないことにこだわって作られています。
肌あれ防止成分トラネキサム酸を配合し、肌のバリア機能をサポートしてくれるので、敏感肌や乾燥肌の方におすすめのシリーズです。
乾燥肌・敏感肌のなかでも特に加齢による肌質の変化に注目して開発されたエイジングケア※シリーズです。年を重ねるごとに、乾燥が気になり、肌がよりデリケートになったという悩みを持つ方のために、独自の「抗乾燥・肌あれ処方」を採用し、すこやかな肌へと導きます。また、低刺激性・無香料・無色素・アルコール(エタノール)無添加・パラベン(防腐剤)無添加など、肌へのやさしさも追求しているので、乾燥によってお肌が敏感になっている方にもご使用いただけます。
※年齢に応じたお肌のケア
カサカサの乾燥肌にお悩みの方や、皮脂の少なくなった高齢の方の乾燥肌を考えた低刺激性スキンケアシリーズです。3大保湿因子類似成分であるセラミド様成分・天然保湿因子様成分・皮脂類似成分※をバランスよく配合しています。
低刺激性・パラベン(防腐剤)無添加・無色素で、赤ちゃんにもお使いいただけます。シリーズのなかには、乾燥しやすい肌のための薬用保湿入浴剤もあり、お風呂に入りながらお肌のケアができます。
※ハンドクリームは除く
乾燥肌になると、肌がカサカサして化粧のノリが悪いと感じたり、つっぱったような不快感を抱いたりするだけでなく、かゆみや赤みなどの症状が出たり、バリア機能の低下によってさまざまな肌トラブルが起きやすくなります。肌を良い状態に保つためには、食事・睡眠などの生活習慣を整え、正しいスキンケアを身につけることが大切です。乾燥肌の方向けのスキンケア製品は、一般的な製品よりも刺激が少なく保湿力を重視して作られています。自分の肌にあったスキンケアでしっかりとこまめに保湿して、うるおったすこやかな肌を目指しましょう。
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