肌トラブルとスキンケアSkincare

檜垣  祐子先生

女性の髪と頭皮のお話

昔より髪のボリュームが減った気がする……。最近、女性の髪の悩みが増えています。 女性の抜け毛・薄毛とその特徴、正しい頭皮ケアなどについてお話していただきました。
監修:東京女子医科大学附属女性生涯健康センター 皮膚科
教授 檜垣 祐子 先生

※ご所属先、 肩書きはご監修当時のものとなります。

女性の髪と頭皮のお話

檜垣  祐子先生
監修:東京女子医科大学附属女性生涯健康センター 皮膚科

教授 檜垣 祐子 先生

※ご所属先、 肩書きはご監修当時のものとなります。

昔より髪のボリュームが減った気がする……。最近、女性の髪の悩みが増えています。 女性の抜け毛・薄毛とその特徴、正しい頭皮ケアなどについてお話していただきました。

1.女性ホルモンサイクルと髪や頭皮の悩み

女性ホルモンの分泌量は、20~30代をピークに、更年期以降には急激に低下します。女性ホルモンの分泌の減少は、毛髪の成長期を遅らせるなど、 ヘアサイクルに影響を与えることが知られています。

女性ホルモンサイクルと髪や頭皮の悩み

女性ホルモンは年齢によって分泌量が変化します。この変動に伴って体にいろいろな変化が起こります。

2.女性の抜け毛・薄毛とその特徴

最近は女性の間にも、抜け毛や薄毛を気にされる方が増えてきました。
女性の3人に1人が抜け毛・薄毛に悩んでいるといわれています*。

*持田ヘルスケア(株)調べ2012年4月に実施した20~60代女性515名へのインターネット調査
(各年代103名)
女性の抜け毛

脱毛症の種類

  • 女性型脱毛症
    更年期や閉経後に、女性ホルモンの分泌量が減少することで起こるといわれています。男性とは異なり、頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなります。
  • 出産後(分娩後)脱毛症
    妊娠中は女性ホルモンが多量に分泌されていますが、出産後に血中ホルモン濃度が妊娠前値に戻ると、毛髪は成長期から休止期に移り、脱毛すると考えられています。頭髪全体にびまん性の脱毛が生じます。
  • 円型脱毛症
    円形、または卵円形に脱毛が生じます。数か月で治癒することもあれば、再発を繰り返すこともあります。 原因は詳しくはわかっていませんが、心理的因子(ストレスなど)が関与しているといわれています。
  • 粃糠性脱毛症
    フケ症や痒みのある頭皮、頭部に炎症症状を伴う脂漏性皮膚炎に合併する脱毛です。 皮膚に常在する真菌であるマラセチアが脂漏性皮膚炎の原因と考えられています。
  • その他
    疾患に伴う脱毛や薬剤性脱毛、過度なダイエットや栄養不足による脱毛などがあります。また、心理社会的因子の関与をうかがえる抜け毛癖(トリコチロマニア)は自ら毛髪を引き抜き、脱毛を生じ、特に学童期に多いといわれています。

日本で発売されている育毛剤の成分と選ぶポイント

日本で発売されている育毛剤には、次のような成分が配合されています。

製品を選ぶ
  • ミノキシジル
    毛母細胞の増殖、タンパク質合成促進

    妊娠中や授乳中の方は使用できません。高血圧やご高齢の方も使用には注意が必要です。

  • 塩化カルプロニウム、
    センブリエキス、
    酢酸トコフェロールなど
    血行促進
  • アデノシン、t-フラバノンなど
    毛母細胞、毛乳頭への作用
  • サリチル酸など
    角質軟化
  • ペンタデカン酸、ニコチン酸など
    栄養補給
  • エチニルエストラジオール
    皮脂分泌抑制

    女性のホルモンバランスの変化によって引き起こされる脱毛症に対処するために、女性ホルモン(エチニルエストラジオール)を配合した女性向け育毛剤も開発されています。

毛髪の成長を妨げず、毛根に栄養を十分に届けることのできる製品を選びましょう。女性の脱毛症には女性向けの製品を選ぶこともポイントです。

育毛スプレー

3.正しい頭皮ケア

抜け毛を防ぐには、日ごろの心掛けが大切です。

栄養バランスに気を付ける

毛髪の主成分は硬ケラチンというタンパク質です。そのため、良質のタンパク質を摂取することや、髪の新陳代謝を促すビタミン、ミネラルなど、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。

栄養バランスに気を付ける<

十分な睡眠をとる

日中に受けた髪のダメージは寝ている間に再生しますので、質の良い睡眠を心がけ、規則正しい生活を送りましょう。

十分な睡眠をとる

ストレスを溜めない

ストレスを受けると末梢の血管が縮小し、栄養が届きにくくなり抜け毛に繋がります。自分なりの解消法を見つけ、ストレスを溜めないことが大切です。

ストレスを溜めない

正しい頭皮ケアを心がける

抜け毛の原因のひとつとなるフケを予防する成分(抗菌成分など)の配合されたシャンプー・リンスなどを用いて、頭皮を清潔に保ちましょう。泡立ちが良く、肌にやさしいシャンプーやリンスを使うこともポイントです。

正しい頭皮ケアを心がける

頭の洗い方

頭皮の血行を促進するためにも、習慣的に行うことをおすすめします。
1. シャンプー前に、髪全体をぬるま湯で十分にぬらします。
2. シャンプーを適量手に取り、よく泡立てて頭皮から髪全体になじませます。
3. 指の腹でやさしくマッサージしながら洗います。
4. シャンプー後は、リンスを髪全体になじませ、ぬるま湯ですすぎます。
5. ぬれた髪をタオルドライした後、ドライヤーなどで乾かします。

頭皮マッサージ

頭皮の血行を促進するためにも、習慣的に行うことをおすすめします。

  1. ① 両手の指の腹で小さく軽く円を描くように動かし、位置を変えながら頭皮をもみほぐします。頭皮はこすらないように、なでるように優しくマッサージします。
  2. ② 両手の指の腹で軽くつかむようにして頭皮をずらすように押します。
頭皮マッサージ

洗髪後または日常のお手入れの際に、マッサージしてください。
育毛剤を使うとより効果的です。

スキンケア講座
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