医療関係者からのアドバイスAdvice

第21回

スキンケアが無視できない 水虫、タムシ

小林 美和 先生
こばやし皮膚科クリニック
副院長
小林 美和 先生

 足のゆびの間がジュクジュクしてかゆい、足の裏にブツブツが出来た、という症状があると、水虫かも!?と思う方も多いと思います。皮膚のトラブルの中でも有名な水虫(足白癬:あしはくせん)、タムシ(ゼニタムシ=体部白癬:たいぶはくせん、インキンタムシ=股部白癬:こぶはくせん)は、「ムシ」と呼ばれますが、原因は虫ではありません。白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が原因です。この白癬菌は、人の皮膚の表面を覆っている角質層や、爪、毛に入り込んで棲みつくという性質をもっています。白癬菌にもいろいろな種類があり、それぞれに特徴があります。特に、体にできるタムシは、感染経路が大きく3つあります。1つ目は、水虫から体に感染するもの。2つ目は、動物から感染するもの。3つ目は、格闘技、特に柔道やレスリングをしている人の間で流行しているものです。いずれのタムシも、体だけでなく、顔や頭皮に白癬菌が感染することもあります。

 1つ目の水虫からうつるタムシは、自分自身や身近な人の水虫から感染します。もし水虫があれば、大切な人にうつさないために、まず水虫を治療しましょう。

 2つ目の動物からうつるタムシは、野良猫、野良犬だけでなく、ペットからも感染することがあります。また、犬猫以外の愛玩動物や、家畜動物も白癬菌をもっていますので、気づかないうちに白癬菌をうつされてしまうことがあります。

 3つ目の格闘技をしている人に流行っているタムシは、症状が軽いことが多く、気づかないうちに広がってしまうことがしばしばあり、頭皮に感染すると毛が抜けることもあります。柔道をしている子供達にも広がってきていますので、皮膚に変化がないかをよく観察してください。もしタムシができたら、稽古や試合で他の人にうつさないように、しっかり治療が必要です。

 さて、水虫、タムシ予防のスキンケアはどのようにしたらよいのでしょうか。健康な皮膚は丈夫なので、白癬菌が皮膚の表面に付いてもすぐには感染しません。ですから、表面についた菌を洗い流すため、1日1回やさしくていねいに洗浄を行うことが重要です。この時、皮膚を傷つけるような洗い方をすると、かえって皮膚が弱ってしまい感染しやすくなります。水虫対策では、足が蒸れてふやけると皮膚が弱くなるので、適度に乾燥させることも大切です。柔道では、道着で擦れる部分の皮膚が弱くなりやすいので、意識して洗浄し、必要があれば保湿のスキンケアで皮膚を守りましょう。

写真:タムシ
▲写真:タムシ
典型的なタムシは、写真のように赤い輪を描いたような症状になります。
(輪にならないタムシもあります。)
スキンケア講座
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