医療関係者からのアドバイスAdvice

第20回

皮膚トラブル時のメイクアップについて

澤田 美月 先生
東京女子医科大学東医療センター 皮膚科
准講師
澤田 美月 先生

ニキビや肌荒れなど肌にトラブルがあった時でもQOLをあげるメイクアップを上手に取り入れましょう。治療の妨げにならないことが大切です。皮膚トラブル時の化粧について気を付ける点をお伝えします。

低刺激性メイクアップ商品を選んでいますか?

化粧水や乳液などのスキンケア商品についてはニキビ肌用化粧品や、敏感肌用化粧品を肌質に合わせて選ぶことが多いと思います。メイクアップ商品について化粧下地やファンデーションは肌質に特化したものを使用すると良いでしょう。ニキビの場合はノンコメドジェニックテスト済み※1と記載されている商品から選びましょう。低刺激性メイクアップ商品は成分や粒子の形状に工夫がされていて、多少肌が荒れていても美しく仕上がるようにできています。

「○○テスト済み」という言葉を過信しない

低刺激性化粧品には、パッチテスト済み※2、アレルギーテスト済み※3やノンコメドジェニックテスト済みなど、さまざまなテスト内容が書いてあります。しかし最後には必ず「すべての人にアレルギーが起きないわけではありません」や「すべての人にニキビができないわけではありません」と書かれてあります。ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品を選んでも、面皰※4が増える場合は使用を中止して、かかりつけの皮膚科医に相談してください。

肌への摩擦を減らしましょう

ファンデーションを顔に塗る時、小さいスポンジを用いると何回も顔を摩擦することになります。大き目のパフで軽く抑えるようにすると摩擦を減らせます。アイシャドウやチークなどのポイントメイクは発色の良い化粧品を用いるとよいでしょう。

ポイントメイクをする

目や口元にしっかりポイントメイクをすることで他人からの目線を皮膚から遠ざけることができます。イヤリングやネックレスを身につけることも同様の効果が期待できます。

化粧道具は清潔に保ちましょう

スポンジやパフは2つずつ購入するように患者さんへ伝えています。そうすれば片方を洗浄して干している際化粧に困りません。化粧ブラシは手掌で擦り洗いすると毛切れの原因になり、手荒れが悪化するので望ましくありません。粉を軽くティシュオフしてから中性洗剤(オレンジオイル入りやアルコール溶剤は避ける)をぬるま湯に溶かして薄め、その中でブラシを軽く振り洗いすると良いでしょう。その後流水で十分に濯ぎ、毛先を整えてから干してください。

肌にトラブルがある時でもQOLをあげるメイクアップを上手に取り入れながら、日常生活を楽しむ工夫をしましょう。

※1:ノンコメドジェニックテストは比較的皮脂腺の多いヒトの背中を利用して製品を複数回繰り返し塗布し、ニキビの初期症状であるコメドが形成されているかどうかを確認する試験です。
※2:パッチテストは製品の皮膚への刺激の有無や強弱を確認するための試験です。パッチテスト用の絆創膏を用いて腕あるいは背中に閉塞で塗布し、皮膚反応(紅斑、丘疹)を判定しています。
※3:アレルギーテストは皮膚にアレルギー反応がでないことを確認するための試験です。
※4:面皰(めんぽう)とはニキビの初期段階にみられる症状のことです。

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