医療関係者からのアドバイスAdvice

第16回

夏のスキンケア

渡辺 大輔 先生
愛知医科大学 皮膚科学講座
教授
渡辺 大輔 先生

 プールに,海に,キャンプに...夏は楽しいレジャーの季節です.しかし,暑い夏に起こりやすい皮膚トラブルとしてあせもやとびひがあります.今回はこのあせもやとびひ,そしてその対処法について述べてみたいとおもいます.

 気温が高いと,人は体温を下げるために汗をかきますが,あせもとは夏場などに汗を多量にかいた時に,汗を出す管(汗管)が詰まってしまったために,汗が汗管の周りの組織に漏れ出してしまうことが原因で起こる皮膚の炎症です.その結果,皮膚に小さな水ぶくれや,かゆみを伴う赤いブツブツが生じます.これがあせもです.あせもができやすいのは,頭,額,首,肘の内側,脚の付け根やお尻,膝の裏側などの汗が乾きにくい部分です.乳幼児の場合はおむつの部分も要注意です.

 さらに,あせもや湿疹,虫刺されの部分を掻きむしったり,擦り傷などの浅い傷の部分に細菌が入り込み,感染を起こすことで,とびひになってしまうこともあります.黄色ブドウ球菌などの細菌が皮膚に感染すると,水ぶくれやかさぶたができます.この水ぶくれが、だんだん膿(うみ)をもつようになり,やがて破れると皮膚がめくれてただれます.かゆみがあり,そこを掻いた手で体の他の部分を触ると,症状が体のあちこちに広がってしまいます.これがとびひです.アトピー性皮膚炎など皮膚のバリア機能が低下している方は,とびひにもなりやすいため要注意です.

 それでは,あせもやとびひになった時はどうしたらいいでしょう?あせもの発症には汗を多量にかくことが関係しますので,室内では通気をよくしたり,エアコンを使用したりして快適に過ごしましょう.あせもを掻くことで湿疹や二次感染を起こしたりしますので,清潔を保つことが大切です.あせもによるかゆみや皮膚の炎症に対しては,抗ヒスタミン剤の内服や,ステロイド剤の外用が有効です.一方,とびひになってしまったら,原因の菌に対して有効な抗菌薬の内服や外用を使います.また,かゆみに対しては必要に応じて抗ヒスタミン剤の内服を用います.

 夏のスキンケアで最も大切なのは「洗浄」そして「保湿」です.汗をかいたら,あせもやとびひになる前にシャワーなどでよく洗い流し,タオルで優しく押さえるように水分を拭き取りましょう.そして保湿剤によるスキンケアも大切です.正しいスキンケアで,夏の皮膚トラブルを防ぎましょう!

スキンケア講座
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