格闘技選手の間で感染の増加がみられるトンズランス感染症について、その症状と予防法をお話いただきました。
トンズランス感染症は、外国から持ち込まれた新しい真菌症であり、柔道やレスリングなどの格闘技選手の間で増えています。毛髪のなかを好むため、頭髪部にすみついて脱毛を伴った白癬症やふけ・痒みなどを引き起こします。また、頭部以外の身体部にも白癬症が出現します。
トンズランス菌は感染力が強く家族・友人にうつったり、一度感染すると非常に治りにくいので注意が必要です。
この菌にはゼニタムシ(体部白癬)とシラクモ(頭部白癬)の2種類があります。最初はあまり目立たず、見逃されていることが多いのですが、次のような症状があります。
発疹は、柔道着等ですれる顔、首、上半身に単発あるいは複数認め、直径1~2cmの小さなものが多く、かさかさしたピンク色の斑で、よく見ると、中央部は治癒して環状になります。
ふけやかさぶたが少しできる程度の症状の軽いものが多いのですが、ひどい場合は、頭皮が盛り上がり、膿みが出て、脱毛を生じます。
トンズランス菌の感染経路は、そのほとんどが、体が触れることによるとされていますが、その他には、畳やマットからの感染、衣類やタオル、寝具類を共有することからの感染も考えられます。集団感染を阻止するには、自分の身体や練習場、部屋などをいつも清潔に保つことが大切です。
医療関係者からの
アドバイス
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