女性のからだは年代によって様々なからだの変化や悩みが起こります。
その変化やお悩みについて、原因とケアの方法をお話していただきました。
女性のからだは年代によってホルモンバランスが変化します。
そして、その変化に伴い、様々なからだの変化や悩みが起こります。
20〜50代の女性を対象にしたデリケートゾーンについての調査※によるとどの年代でも、約5人に1人がニオイやムレ、かゆみ、おりものについて悩んでいることがわかりました。
※ 2012年2月持田ヘルスケアによるインターネット調査(対象:20〜50代女性 412名)
月経がある10代~40代までの女性では特に生理中に、閉経した女性では、特に尿漏れパッドを着けているときに、ニオイやムレが気になるのではないでしょうか。
ニオイは、汗や尿、生理の経血だけでなく、菌が増殖することが原因です。デリケートゾーンは常に多湿で温かいうえに、下着やナプキン、パッドを着けているためムレやすく、菌が増殖しやすい環境です。
そのため、他の場所に比べてニオイが発生しやすいのです。
ニオイの原因となる菌の増殖を防ぐことが大切です。
たとえば、
●通気性が良い下着を使用する
●おりものシートやナプキン、パッドをこまめに替える
●毎日のお風呂で、デリケートゾーンをきちんと洗って清潔にする。
このような、ちょっとした工夫で菌の増殖を防ぐことができます。
デリケートゾーンのかゆみは、カンジダ腟炎(ちつえん)などの可能性も考えられます。
特に妊娠している方は、免疫力が急激に低下しているため、カンジダ腟炎になりやすいといわれています。
ニオイと同様に、清潔な状態を保つことが基本ですが、気になる点があれば、一人で悩まず、医師に相談しましょう。
デリケートゾーンには様々な常在菌が存在します。
常在菌は善玉菌(良い働きをする菌)と悪玉菌(過剰に増えると悪い働きをする菌)に分けられます。
デーデルライン桿菌、その他の乳酸菌など
乳酸菌の仲間です。腟内のPHを酸性に保ち、他の病原菌の侵入を筆ぎます。バリア機能としての役割を担う菌です。
カンジダ菌(真菌)など
普段は悪さをしませんが、増えすぎると感染症の原因になることもあります。毎日のお風呂で正しく清潔ケアを行い、増殖を防ぐこと大切です。
体調の変化やストレス、生活習慣の乱れ、デリケートゾーンの不潔な状態などにより、善玉菌と悪玉菌のバランスがくずれることもあります。生活習慣を整え、デリケートゾーンを清潔にすることを心がけましょう。
おりものは、雑菌が腟の中に入るのを防ぐために分泌されますので、もちろん、健康な状態の方でも出てきます。
時期によって色や状態が変わります。
排卵の時期には透明で粘りがあり伸びるもの、月経前には白っぽいクリーム状のものであることが多いです。また、白い固まりが出てくることがありますが、これは乳酸菌ですので、異常な状態ではありません。
正常なおりものはあまりニオイがしません。おりものは酸性ですので、酸っぱいニオイのときもありますが、周囲にニオイはしませんので神経質になる必要はありません。
おりものが次のような場合には、病気の可能性があります。気になる点は気軽に医師に相談しましょう。
大腸菌、トリコモナス
緑膿菌、カンジダ菌、淋菌
カンジダ菌
子宮腟部びらん、ポリープ、子宮がん
デリケートゾーンのニオイやムレ、かゆみへの対策として、デリケートゾーンを清潔に保つ生活習慣を心がけましょう。
●ナイロンタオルを使ったり爪を立てて洗うことは厳禁です。
●石けんを泡立てずに、直接石けんをつけてデリケートゾーンを洗うことも避けましょう。
●フェイスケアと同じように、指の腹を使って石けんの泡でやさしく汚れを落としましょう。
中まで洗いすぎず、ふつうに体と同じように洗っていれば問題ありません。
●規則正しい生活でストレスをためない。
●ナプキンや尿漏れパッドはこまめに取り替える。
●通気性がよい下着を選ぶ。
●デリケートゾーンを正しく洗って清潔に保つ。
低刺激性のものや弱酸性のものなど、デリケートゾーンの洗浄のために考えられた石けんがあります。
また抗真菌成分配合の石けんは、真菌が増殖するのを防ぎます。
中でも、泡タイプの石けんは、泡立てる必要がないため簡単で、つけすぎやゴシゴシと洗いすぎる心配がありませんので便利です。
ご自身に合ったものを選びましょう。
医療関係者からの
アドバイス
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