ここ数年、フットケアの重要性に注目が集まっています。足のトラブルから大切な足を守るためには、足のお手入れが重要です。今日から自分でできる足のお手入れ方法についてお話していただきました。
A 下肢の血流障害により、足に十分な酸素・栄養が行き届かなくなり、傷ができても治りにくくなります。また、神経障害が起きて感覚が鈍ると、そもそも足にできた傷ややけどに気がつかない、ということもあります。そして、免疫力が低下すると、細菌に感染しやすくなります。傷が治りにくい、傷があっても気づかない、細菌に感染しやすい。
こうした要素が重なって、足にできた傷から細菌に感染、それが足の潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)を引き起こしてしまうことがあるのです。
A 足の異変を早期に発見し、重症化するのを防ぐには、自分の足に関心を持ち、予防的フットケアを心がけること。病気そのものの治療と同様、気になることがあるときは、早めに医師や看護師に相談しましょう。
足の異変を見過ごさないために。
潰瘍や壊疽から、身を守るために。
家族の助けも借りながら、毎日のフットケアを習慣づけていきましょう。
足のゆびの間や爪、かかとを含め、足のすみずみまでチェックしましょう。視力障害があれば、家族や、医師・看護師に見てもらいましょう。
入浴したときは、足のゆびの間まで、丁寧にきちんと洗うようにしましょう。入浴できない日も、足浴をする、濡らしたタオルで足を拭くなど、足の清潔をつねに心がけることが大切です。
乾燥してひび割れた部分から、細菌に感染してしまうこともあります。かかとなど乾燥が気になる部分は、しっかりと保湿ケアをしましょう。
保湿用の入浴剤を入れたお湯に入浴する、または足浴するのもよいでしょう。
※石鹸や保湿剤について、どのようなものを選べばいいか、医師や看護師に相談してみましょう。
からだの免疫力が下がると、細菌や真菌(カビ)、ウイルスに対する抵抗力が落ちるため、白癬菌を原因とする水虫・爪水虫にもかかりやすくなります。「水虫はよくある感染症だから」と甘くみるのは禁物。患部から、潰瘍・壊疽につながる可能性もあるのです。水虫・爪水虫になったら、医師の指導の下に治療を受けましょう。
深爪を避け、足の爪を伸ばしすぎないこと。爪が長すぎると、割れてしまったり、ほかのゆびにあたって皮膚を傷つけてしまうことがあるのです。自分で爪切りをするのが難しい場合は、家族に切ってもらったり、医師や看護師に相談をしましょう。
自分で足の「たこ」「うおのめ」をむしったり、削ったりすることは、足を傷つける危険な行為。自分で処理はせず、医師や看護師に相談しましょう。
やけどは、潰瘍につながりやすいため、特に冬は暖房機器の使い方に気をつけましょう。神経障害があると、熱への感覚が鈍り、やけどの危険が高まります。
乾燥を防ぎ、けがから足を守るため、靴下をいつも履くようにしましょう。毎日履きかえて、清潔さを保つことも大切です。
靴にも、気を配りましょう。「たこ」や「うおのめ」は、足に合わない靴によって生じやすくなりますし、足に変形がある方は特に、靴選びに気をつけたいものです。
靴の専門家に相談するのも良いでしょう。
また、出かけるときは、靴の中に異物が入っていないか、確認しましょう。
医療関係者からの
アドバイス
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